JPのEXCITERのカヴァーも収録した1988年リリースの4曲入EP。単体でのCD化はないのですが、Up from the Depthsというコンピ作に、まるまる収録されています。CD化もされていますが現在では入手困難、簡単に試聴できるサブスクでお楽しみください。 パワフルなアン・ボイレン嬢の歌声を前に出しつつも色的にはダークなメタル路線は健在。師匠であるロニー・ジェイムズ・ディオ直系のパワフルな歌声を生かした正統派メタルを展開している。興味深いJPのカバーも難なくこなし、アルバムの中でアクセントになっている。ある意味、カヴァーがハイライト的な魅力を発散しているのだが、勢いのある①ダークネスなミドルナンバー②EXCITERに引っ張られるように走る④とバラエティに富んだ楽曲を用意。4曲では物足りないと思わせる渇望感を与えてくれます。 メディアでの評価がイマイチだったために、跳ねなかったアン・ボイレン率いる正統派メタルバンドの意欲作。1988年のリリースですが、メジャーシーンに毒されることなく、自分たちが信じる事をやり切っている姿は実に頼もしい。 JPの曲もさることながら④みたいな曲でも力負けしない歌声、ホラーテイストの強い②で魅せた妖鳥シレーヌの如き妖艶かつ誇り高き魔界の住人の如き堂々としたパフォーマンスに魅了されますね。 バックの演奏も申し分ない。芸がないではなく実直なのである。リードギターも巧者だ。