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What a Wonderful Life! Ha!!
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1. 失恋船長 ★★★ (2024-09-17 16:14:06)

千葉出身、今や伝説のグループとしてダイハードなマニアに語り継がれるバンド。1987年にリリースされたフルアルバムなのかEPなのか分からないのだが、ランニングタイムが20分にも満たない作品。後年CD化の際に、彼らにとっては大切なThe DoorsのLight My Fireを組み、完全版もリリースしているが、それでもあっという間に13曲が駆け抜けていく。
とは言え、味付けはコッサリ系、一見スカッとしたパンクス系の軽めな疾走感はあるのだが、構成は複雑で味わいは深い、聴けば聴くほど、その拘った展開と音数の凄さ、強靱的なドラムが繰り出すビートは多様、合わせ技で聴き手の完全に独自性の高い音楽性へと引き込む。ベースもブーストした独特のサウンドでドラムと呼応、テクニカルさを難解に感じさせずに聴かせる手法はハードコアパンクス系だからと言えるが、スラッシュ的な先を読ませないスリルを内包しているのは間違いない。
叫びながらもメロディを追いかける歌い手も迫力十分、日本人云々で語られるパワー不足感はない、少々遊びが過ぎる場面が楽曲に登場するのは事実だが、それも個性の許容範囲。彼らが手掛けたのは唯一無二の個性を磨き上げ音に封じ込めたと言うことだろう。
リリース時が1987年。残念ながら日本の批評家はスラッシュメタルには否定的だった。その否定的だった人たちが今ではスタンスを変えシレッとしている姿は容認できないが、まぁ、形式や定型ロックを嗜む人には、騒音以外の何物でもないだろう。

これが個性のない洋楽の猿まねとは到底思えないのだが、感性のなさは非難されても仕方がないし、そもそも聞き分ける耳をもっていない人にレビューさせたのは間違いだ。野球のルールをしらんヤツに解説させるのと同じなので、当時メンバーが感じたであろう無念をほんの少し代弁したつもりだが、スケーターロックなどと浮ついた形容も当てはまらない、ダイハードなサウンドを叩きつけてきた。

本能を揺さぶる忙しないリズム。その焦燥感を掻き立てるノイジーさ、そこにワビサビを身につけている所作が加わり、日本人云々では語る事の出来ない質の高いサウンドを披露してくれた。今の時代ならばもっと高い評価を受けたろう。ハードコアとメタルの融合。ありがちな例えだが、彼らほど、見事にやり切ったバンドは少ない。
それが日本にいたことを誇りに思う。野獣死すべし。理解のないレビュー、口惜しい。



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