雑誌インタビューでスティーヴ・アシェイム(Ds)が「グレン・ベントン(Vo)が裁判に巻き込まれちゃったから暫く活動休止する」と語っていたので長いこと待たされるかと思いきや、意外にも(と言っても3年経ってるわけだけど)短いスパンで届けれらた新作アルバム。 内容については、グレンの人非人Voと、スティーヴの高橋名人ばりの猛射ドラムを軸に、そこへラルフ・サントーラとジャック・オーウェンの流麗にして華麗なツインGがメロディックに絡んでくる、邪悪/激烈/荘厳と三拍子揃ったいつも通りのDEICIDEサウンドが徹頭徹尾貫かれている一方、ラルフのGソロが泣きやドラマ性より、楽曲の禍々しさを増強する演奏を心掛けている印象ゆえ、作風的には前作『TILL DEATH DO US PART』と重なる部分多し。 ただ、歌詞やパフォーマンスが不完全燃焼気味だった『TILL~』に比べると、本作はアンチ・クライスト魂をスパークさせたグレンが冒頭からラストまで高いテンションを維持。裁判にケリが着いたのか、はたまたレコード会社を変えて心機一転が図られたのかは分からないが、ともかくバンドの支柱たる彼氏が本調子ならば、サウンドが引き締まるのも道理というもの。 激烈なまでにブルータリティと劇的さを併せ持った①⑤⑨辺りは、バンドの復調っぷりが実感できる名曲じゃないかな、と。