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No Smoke Without Fire / ANTHEM
塚本林之助 ★★ (2006-03-12 04:21:00)
名曲を数曲収録しているにも関わらず、定番のアンセム節であり、
突き抜ける何かが感じられない6作目。
本作に限って言えば、コンポーザーがベーシストであることに起因する
アイディアの煮詰まりにも、原因の一端はあると思う。
つまり、愚直なパワー・メタル然としたギター・リフやバッキングが面白くないのである。
ボトムを支えるリズム隊的な観点から、ギター・パートも同様に考えられている様に思える。
下衆の勘繰りではあるが、このあたりにも洋也脱退の要因があったのではなかろうか?
また、シングル・カットされた"Love On The Edge"に漂う歌謡曲臭や"Power & Blood"の
今までにないポップさからは、"セールスを上げるための売れ線狙い"が感じられる。
しかし、売れ線を狙っても不器用なバンドであることから、サマになっていないところが
痛々しいし、悲劇でもある。
このように、ANTHEMはこのアルバムから失速していったと個人的には捉えている。
そして、次作である7th「DOMESTIC BOOTY」は、刀折れ矢尽きたANTHEMの
断末魔の叫びを思わせる作風となっており、その後の解散へと向かうことになる。
→同意