この曲を聴け!
Themes from William Blake's The Marriage of Heaven and Hell / ULVER
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2004-11-14 21:13:00)
イギリスの詩人、兼挿絵画家として有名なウイリアム・ブレイクの作品「天国と地獄の結婚」を元にした、1999年発表の4thアルバムであり、2枚組の大作。とりあえずこの作品を楽しむため、原文の日本語訳を入手して読みながら聴いていますが、これはとても興味深い作品ですね。
私はブレイクはおろかロマン派の詩人の作品自体に触れた事が無かったんですが、衝撃的な内容を多分に含んでいて多少なりとも驚いてしまいました。特に既存の宗教の価値観をある意味で否定しているようにも取れる「The Voice Of The Devil」や、格言を羅列したような示唆的な「Proverbs Of Hell」に最も興味を惹かれました。前者はもしかしたらブラックメタルをプレイする人たちにも共感する所があったかもしれませんが、当時(1700年代末期)教会等に批判されなかったのか、ちょっと気になります。
音的には様々な音楽性を内包していて、2ndアルバムの収録曲にも通ずるアコースティックの小品を音響効果でダークに味付けしたものもあれば、同年に発売されたEPである「METAMORPHOSIS」収録曲のようなデジタルな曲もあったりで、はっきり言って私の音楽的な知識でこのアルバムの全体像を端的に表すのはちょっと無理です(笑)。
ですので、個人的なお勧め曲を挙げていきたいと思います。
DISC-1では壮大な物語の始まりを思わせる①、聴き手を神秘的な世界観の中に惹き込むような②、淡々とした始まりからじわじわと盛り上げていく⑦、短いながら笛と女声ヴォーカルで哀愁のあるメロディを聴かせる⑧、DISC-2では聖歌のような(と言ってもインストだけど)荘厳さで迫る②、GARMの勇壮な響きを持つヴォーカルを堪能出来る③、IHSAHN,SAMOTH,FENRIZと豪華なゲストを起用しブラックにも通ずるリフを聴かせる⑥等が特にお勧めのトラックです。
このアルバムでは、GARMの他にもう一人ストーリテラーの役割を担う女声ヴォーカルが入っていますが、表現力があるので安心して聴く事が出来ます。GARMは言わずもがなですね(笑)。ドスの利いた低音から音に融け込むアンビエントなヴォーカル、果てはラップの様にリズミカルに言葉をはめていく所があったり、あらためて凄いヴォーカルである事を見せ付けてくれます。
ただ、良いアルバムなんですが悪い所もあります…DISC-1の⑫やDISC-2の①は歌詞のドラマ性の割に音が淡白なんですよね…特に後者は天使が主人公に見せた幻影と主人公が天使に見せた幻影のパートでトラックを分けて、目の前に映像が浮かぶようなドラマティックなアレンジで聴かせて欲しかったのですが…それと、ラストの「Chorus」が⑥が終わって20分以上経ってから始まる仕様もはっきり言って疑問です。
ちなみにこの作品はトラックリストが付いていないので、暫定ですが以下に記しておきます。
DISC-1
#1 The Argument Plate2
#2 The Argument Plate3
#3 The Argument Plate3
#4 The Voice Of The Devil Plate4
#5 The Voice Of The Devil Plate5-6
#6 A Memorable Fancy Plate6-7
#7 Proverbs Of Hell Plate7-10
#8 Proverbs Of Hell Plate11
#9 Proverbs Of Hell Plate11
#10 A Memorable Fancy Plate12-13
#11 A Memorable Fancy Plate14
#12 A Memorable Fancy Plate15
#13 A Memorable Fancy Plate16-17
DISC-2
#1 A Memorable Fancy Plate17-20
#2 A Memorable Fancy Plate21-22
#3 A Memorable Fancy Plate22-24
#4 A Memorable Fancy Plate22-24
#5 A Memorable Fancy Plate22-24
#6 A Song Of Liberty Plate25-27
隠しトラック Chorus
間違ってたら遠慮なく突っ込んで下さい。合ってるか正直自信無いもんで(汗)
それにしても、どうしてPlate1が無いんだろう…
→同意