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Ipso Facto / RIK EMMETT
火薬バカ一代 ★★ (2008-10-20 16:46:00)
「ソフト過ぎる」「もっとロックして欲しい」と批判された1stソロ・アルバム『ABSOLUTERY』のポップな作風を
反省したのか(個人的には、あれはあれで良かったと思うけど)、いきなりGがホットに弾きまくられるハード・チューン①で
本編の幕が開く、リック・エメット師匠、'92年発表の2ndソロ・アルバム。(邦題も判り易く『ストレート・アップ』)
全体的な仕上がりとしては、ソロ・デビュー作の方向性を順当に受け継いだロックンロール路線ながら、
前作に比べ、楽曲にハード・ロッキンな「勢い」や「熱さ」が漲っているのが本作の大きな特徴で、
それに併せて、曲展開のダイナミズム、ブルーズ風味の「泣き」といった、TRIUMPH時代を想起させる
(ファンがリック・エメットに期待する)要素が、ある程度戻ってきているのが嬉しい。
特に、渋く、エモーショナルに泣きまくるブルージーなバラード⑧は、「来た来た来たぁ!」と思わずガッツポーズを
取りたくなる程、エメット師匠入魂のGプレイと歌声が堪能できる、涙腺決壊必至の名曲。
また、アコギ一本で爪弾かれる味わい深いインスト曲⑤や、押しと引きを心得た曲展開が魅力の⑦、辛抱堪らんくらい
熱く盛り上がっていく⑩、小粋な小曲⑭辺りは、TRIUMPHのオリジナル・アルバムに収録されていてもおかしくない完成度の高さだし、
⑤を筆頭に、本編の随所にフィーチュアされ、楽曲に都会的な哀愁を加味するサックスの音色も、非常に効果を上げていて◎。
TRIUMPH時代と、ソロ・アーティストとしてのリック・エメット。両者のスタイルに上手く折り合いが付けられた、
TRIUMPHファンが聴いても失望する事のない1枚に仕上がっているんじゃないかな、と。
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