この曲を聴け!
Si monumentum requires, circumspice / DEATHSPELL OMEGA
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2005-06-20 16:35:00)
2004年発表の3rd。
確かにこれは凄い作品ですね…
まずメロディなんですが、ちゃんとブラック特有の荘厳かつ荒涼とした物はもちろんの事、時折出てくる鬱メロディがやばいです。BURZUMにも匹敵する程の鬱屈したメロディで聴き手の生きる気力をじわじわと蝕んでいく事請け合いです。音質も低音が効いていながら、決して音圧に頼る事でマッチョになったりせず、邪悪さを保ったブラックとしては理想的な音造りなんじゃないかと思います。
そこに乗っかるヴォーカルも、うめきとがなりの中間くらいの声なんですが、明らかに喉に負担を掛けそうな歌い方にもかかわらず、安定していてまるで地獄の聖書を淡々と朗読しているかのような、威厳と邪悪さを兼ね備えた悪魔の声を出しています。
そして、この作品を超がつく程の名盤たらしめていると思うのが名曲⑪の存在。もしかしたら、ブラック黎明期の名作とされるMAYHEMの「Freezing Moon」やEMPERORの「I Am The Black Wizards」にすらも匹敵するくらいの名曲かもしれません。全体的にクオリティが高いアルバムですが、この曲によって作品が更なる高みへと引き上げられているように感じました。ただ、SE的な曲はもう少し短くして欲しかったかもしれません。雰囲気は凄く出ているんですけど、多いし5分もいらない気がします。
個人的にこの作品は、ブラック黎明期の邪悪さを、単なる懐古趣味ではなく、現代の音として再構築したような作品に感じました。ブラックメタルのアーティストの作品を買う時、ついつい昔の音源に手を出してしまう人には激オススメの作品です。
とにかく「ブラックメタル」のど真ん中に位置しそうな感じの音出してます。それにしても、商売っ気の無いジャケットですね…(笑)。イラストもB級っぽいし。あのかっこいいバンドロゴを前面に出せば、もっと売り上げが伸びると思うんだけどなぁ…
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