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Angel of Retribution / JUDAS PRIEST
GIHALA ★★ (2005-03-30 22:32:00)
RIPPERの時の二枚はあまりいい印象が無かったんで、この「復活作」にも正直全然期待してなかった。そりゃあ、またROBのいるJUDAS PRIESTが見られるってことは、当時を知らない後追いファンの自分としてはウレシイことだけど、だからと言ってアルバムの出来がいいとは全く思えなかった。
でもビックリしましたよ、予想を遥かに上回る出来栄えで。方向性も、前2作の延長線上って感じじゃなく、かといって単なる昔の焼き直しでもなく、実に絶妙なバランスで過去と現代性が溶け合ってる。そりゃまぁ多少意識した結果だろうけど、この方向性でこれだけ高い完成度のモノを出してくるとは意外だったし、やっぱりこの人達のセンスって生半可じゃないなと思う。本当に凄い。
で、やっぱりこのバンドにはROBの存在は必要不可欠で、ROBという歌い手はこのバンドに納まって然るべきだってことを再確認した。このアルバムをRIPPERが歌っていたとしても、この凄みを出せるとは思えん。逆に、ROBの歌の魅力を引き出せるのも、このバンドならでは。唯一無二のROBの声に、重くて暗い、そして美しい曲がハマリまくってる。
GLENNにK.K.、そしてROB、この三人だからこそ出来ること…これこそがJUDAS PRIESTの孤高性であり真骨頂だと改めて認識させられた。
ROBの復帰を初めて知った時は複雑な思いにはなった。まさか、RIPPERを擁して進化し続けることを、このバンドが捨てるとは思えなかったから。アルバムはともかく、常に前進しようとする心意気は敬服するべきものだった。だから、後戻りなんかしたら、このバンドのアイデンティティはどうなっちまうんだ?と。
だが、そうじゃなかった。このメンバーが揃って、初めてJUDAS PRIESTとしてのアイデンティティが発揮される。このアルバムは、その事実の再確認であり、ここからまた新たな進化が始まるのだと思う。
じゃあ、RIPPERのいた時期は帳消しにされてしまうのか?アレはJUDAS PRIESTじゃなかったということか?(雑誌で、K.K.がリユニオンに際して「またJUDAS PRIESTをやろうと思ったんだ!」って言ってたし。)…でも、このアルバムを聴いたら、認めるしかない。やっぱり、これこそがこのバンドの在るべき姿なんだ、と。そういうものだ、と。

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