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The Black Halo / KAMELOT
メタラァ ★★ (2005-03-03 17:09:00)
間違いなく、これまでのKAMELOT史上で最もヘヴィな作品となった『THE BLACK HALO』、その完成度は恐ろしく高い。
プログレ色が強く取っ付き難くなったと言われる本作、確かにプログレ色は多少濃くなっているものの取っ付き難さに繋がる程濃くはないと思う。テクニカル寄りのリフがあったりもしますけどね。
しかし、前2作『KARMA』や『EPICA』よりは取っ付き難い印象はある。(俺は『THE FOURTH LEGACY』もアルバム通して聴くと取っ付き難いイメージを抱いてます)何故か?多分、単純にダークな作風だからだと思うんです。1曲目がスロー~ミドル・テンポでKAMELOT史上最もヘヴィな『March Of Mephist』であること、中間にテンポの良い曲がないこと、大雑把に言えばその2点が取っ付き難さを作ってる要因なんじゃないかって。
「キラー・チューンがない」と言われていることだって、本来ならばキラー・チューンと呼ばれるべき『Soul Society』が4曲目だからなんじゃないか?と。(あと、『Soul Society』には過去のキラー・チューンにはあった"美メロのイントロ"がないことも関係はありそう)『Soul Society』が仮に1曲目だとしたらもっと「1曲目の『Soul Society』が始まった瞬間ガッツ・ポーズモノでした!」と言うレビューが増えそうなもんです。(笑)実際、前作の『Center Of The Universe』タイプの典型的KAMELOTのキラー・チューンに成り得る名曲だと思います。
すいません。個人的推測を長々と。(苦笑)
で、本作はKAMELOTならではの美メロ満載のアルバムなんです!メロディの良さという点ではKAMELOT史上NO.1の称号を与えたいくらいです。
バラードは過去の名曲、例えば『Don't You Cry』や『Wonder』、はたまた『A Sailorman's Hymn』等と比べるとメロディのキャッチーさでは、勿論好みにもよりますが、もしかしたら劣っているかも知れません。が、その曲の持つ"叙情性"という面では凄まじい力を持っており、過去の名バラード群と比較してもまるで劣らない、むしろ新しい魅力すら感じさせます。
『The Haunting(Somewhere In Time)』や『Moonlight』に代表されるようなスロー~ミドル・テンポ曲の叙情メロディは絶品で感動を覚えますね、ホント。
中盤から終盤への橋渡し的であり、連続する疾走曲『The Black Halo』『Nothing Ever Die』は良い曲だけど、どちらかカットした方がスッキリしたかも。
本編ラストの『Serenade』はAメロの美しさが余りにも素晴らしく、サビメロもファルセットを交えたロイの歌唱も込みで感動を呼ぶんだけど、どうも唐突な終わりが個人的好みとはちょっと違う。「立つ鳥、跡を濁さず」というと何か違う気もするが(笑)こういうサラッとした終わり方もアリと言えばアリだけど、個人的には日本盤ボーナスの『Epilogue』を含めて"アルバム"という単位で捉えてます。歌詞の内容もコンセプトの一部だということらしいし、音楽的にもこういう余韻のある終わり方の方が好みなんです。
先ほどチラリと触れたように、バンド史上最もヘヴィな作品だと思う。『March Of Mephist』というダークでヘヴィな曲をはじめ、今回の楽曲をここまでの完成度に高めたのはメロディック・メタル界最強クラスのリズム隊の存在は大きい。グレンのズッシリとしたベース、ケイシーのヘヴィでパワフルなドラミング、これですよ。
トーマスも相変わらずメロディ・センスの良いギター弾いてますね。
で、触れないわけにはいかないロイの歌唱。いやぁ、絶品!素晴らしいですね!特に印象的なのは低く深い歌唱が渋いバラード『Abandoned』、そして日本盤ボーナスの『Epilogue』。特に後者はロイ史上のベスト歌唱なんじゃないかってくらいの情の篭りようで、外国在住の方はこれを聴けないなんて……、これを聴けなきゃロイのファンは可哀想ですよ。この歌唱聴いて泣くなっていうのが無理。外国に在住の方、なんとか日本盤を聴いてみて下さい。
まぁ、注文付けたいことがないわけじゃないんです。例えばイェンスとシモーネ・シモンズ以外のゲストの方々の存在感が期待を下回ってしまったこと。シャグラットは確かに効果的に起用されてますが、もっと「ブラック・メタル然とした咆哮が聴けるかな?」とか思ってたんで…。
あとマリ!!前作では『Center Of The Universe』の"名曲度"を一段上まで押し上げた程の存在感だったんですが、本作では歌ったメロディがイマイチで…。
あとは『Soul Society』のラジオ・エディット・ヴァージョン、いらないなぁ。(笑)
……やっぱり長~~い文章になってしまいました。短く纏めることが下手くそなんで、すいません。
長~い駄文なんで「結局良いのか?悪いのか?」と思われる方もいるかも知れませんのでここで確認の意味を込めてもう一度。「素晴らしいアルバムです。買うなら是非とも日本盤を!!」
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