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Difference / DREAMTALE
メタラァ ★★ (2006-08-18 18:53:00)
1stは「演奏下手」「SONATA ARCTICAのパクリ」「ヴォーカルが微妙(下手?)」「サウンド・プロダクションがダメ」などと言われることもありますが、個人的には大好きです。メロディ・センスが良いし、下手と言われることのあるヴォーカルも、確かに音程が甘いときもありましたが、声が好きなので。
そんなこんなでしたが、ファースト発売時で既にヴォーカル(兼ギター)のラミ・ケラネンが喉を感染症で痛め歌えなくなり(その1stでも2曲でNIGHTWISHやTAROTのベース兼ヴォーカルであるマルコ・ヒエタラがラミの代わりにゲストで参加)、2ndでは勿論違うヴォーカル、サンプルを聴いた限りでは曲もピンと来ず、スルーしていました。
この3rdも同じ。またまたヴォーカリスト変わってるし、曲を聴くチャンスもなく、購入に至るキッカケがなくホッタラカシでした。
しかし、とりあえずお金があったことと中古でまぁまぁな値段で売っていたので「ま、いっか」的なノリで買って聴いてみると…。
ありゃま!!ヴォーカル、上手いじゃないの!!曲、良いじゃないの!!
曲は相変わらずSONATAフォロワーの香りをプンプンに漂わせながらも、本アルバム1発目の『LOST SOULS』や『FLY』のイントロを代表するようなヘヴィなギター・リフや生々しいギター・サウンドを伴って1stとは違う印象。それでもまだ「個性を確立!!」なんてこたぁ言いませんが、より骨太になった楽曲の印象はとても良いです。疾走曲ではキラキラ・キーボードが以前よりも目立たなくなってるコトも骨太感につながってるでしょう。
アルバム全体の流れも1曲目にヘヴィ且つ勢いのある『LOST SOULS』、「まさに!!」な疾走曲『WINGS OF ICAROS』『WORLD'S CHILD』をそれぞれ2曲目、6曲目に配置し、3曲目にはアメリカン風のグルーヴ感のある『NEW LIFE』、4曲目に7分半の大作でキーボードが活躍する『LUCID TIMES』、5曲目と7曲目、そして本編ラスト11曲目にそれぞれ印象の違うバラード・タイプの曲『MIRROR』『SAIL AWAY』『GREEN FIELDS』でアルバムに潤いを与え、ヘヴィ・リフやフラメンコ調の間奏など新味が詰まった8曲目『FLY』、1st収録の『WHERE THE RAINBOW ENDS』を髣髴とさせる9曲目『SECRET DOOR』。起伏のある疾走曲『WE ARE ONE』が10曲目。
アルバムを通してのバラエティも良く、全体通して聴いても飽きは来ない!!…と言い切りたいのだが、個人的には③『NEW LIFE』~④『LUCID TIMES』~⑤『MIRROR』の流れは、それぞれの曲は非常に良いんだけどちょっとタルく、『MIRROR』はここには入れなくて良かったんじゃないかな?と思います。それに『LUCID TIMES』から『WORLD'S CHILD』につながった方がカッコいい気がするし。しかし、それ以外は文句なし!!起伏ありありでアルバム終盤まで聴かせてくれます!
ついでに言っておくと、日本盤ボーナスの『POWERPLAY』は、メロディは彼ららしい、北欧らしいものなんですが、アレンジがダンス・ミュージックっぽくて面白い。本編に入れたら浮きに浮きまくるだろうけど、こういう扱いなら「良いアイディアだね!」と言ってあげたくなる。(本国フィンランドではシングルに収録されるらしいですね)
ま、サウンド・プロダクションに関してはヘヴィさが増したものの、1stとさほど変わってはないですね。元々、1stのプロダクションに関して文句はない人間なので、今回も勿論お~け~です。
インスト隊も、特に成長が見えるわけでもない。(笑)
ただ、ドラムだけちょっと芸が細かくなったかな。
さてさて、このバンド3枚目にして3人目のヴォーカリスト、ヤルッコ・アホーラ(響きがなんともアホそう……じゃなくて北欧っぽい)。その実力は!?
…って、最初の方で「上手い!」って言っちゃってるけどね。(笑)ハイ、上手いです。冒頭『LOST SOULS』の一番最初のAメロで音が微妙なときは「やっぱダメなのぉ?」と目を潤ませた私ですが(笑)、まぁそこ以外は殆ど音程のコトなんざ気にならず、むしろ逆にその上手さと声質に惚れ惚れ。典型的ハイトーン・シンガーではなく、強いて言えばマルコ・ヒエタラが8割、ラミ・ケラネンが2割って感じで、非常に力強くレンジも広いです。高音でシャウトするときなんかはちょっとギャァァァ~ってアクが強過ぎな気もしますが、個人的にあれは大好き!(笑)特に『SECRET DOOR』で曲がAメロ~Bメロ~サビと流れていくにつれてどんどん彼の声も力強くなっていく感じは素晴らしいですね!!
ホント、良いヴォーカリストをめっけたもんだ!
加えてこの人、『LOST SOULS』『NEW LIFE』『SAIL AWAY』『FLY』の4曲で曲作りに参加。しかもアコースティック・バラードの『SAIL AWAY』、新味たっぷりの『FLY』はなんと独作!!他の2曲もなかなか新味を含んだ曲で(特に『NEW LIFE』!!)、作曲者としてもこのバンドへの貢献度は非常に高い。ホント、良い人材を得たね!
このメロディとこのヴォーカリストがいれば、俺はいつまでもこのバンドを応援し続けたい!!そう思わせてくれる1枚です!発売日に買ってなくて、勿体無かったね、俺。

………ん?…んんん?ヴォーカル脱退!?………はぁ!?

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