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The Velvet Underground & Nico / THE VELVET UNDERGROUND
クーカイ ★★ (2005-04-10 00:22:00)
'67年発表。1stアルバム。プロデューサーとしてアンディ=ウォーホルの名前が明記されているが、まあ、名前だけだ。とはいえ、ウォーホルはスタジオを借りたりレコーディングの為の資金を提供している。
ウォーホルが描いたバナナのアートワークが有名なので、「聴いたことはないが名前だけは知っている」とか「なにかの雑誌でバナナを見た」という人もいるかもしれない。
商業的には全く成功していないのだが、後の世のアーティスト達に与えた衝撃は非常に大きい作品である。ルーの独特な詩世界と秀逸なリフの楽曲群に、ジョン=ケイルの実験音楽的なアプローチが一部絡み、今聴いても先鋭的な音楽が構築されている。
たまにTHE BEATLESの「へルター・スケルター」が一番最初のHMだという意見を聞くが、私は本作の11曲目「ヨーロピアン・サン」も同様のものとして挙げたい。最初期のHMというだけでなく、インダストリアルでもあるし、全てのエクストリームミュージックの祖父みたいなもんだと思う。
11曲目だけでなく、「ヘロイン」や「毛皮のヴィーナス」、「黒い天使の死の歌」、「僕は待ち人」他ずらりと本バンドの代表曲が収録されたこの1stは、広義のロックが好きなら一度は聴いておいて損はない。
このバンドが存在していなければ、HMは出現しなかったとはいわない。だが、少なくとも轟音のノイズや不協和音を曲中に使う手法の確立は遅れただろう。パンクムーヴメントは形だけのものとなっていたであろうし、SONIC YOUTHやNIRVANAは居なかったかも。そういうバンドであり作品である。
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