この曲を聴け! 

Kénôse / DEATHSPELL OMEGA
木札 ★★ (2007-08-26 03:44:00)
わー、ごめんなさいごめんなさい、完全に見くびってました。これほどのバンドだと全く見抜けなかったです。
前作には特別思い入れが抱けなかったんですけど、このバンドが「EMPERORを超える」とまで言われているわけをようやく実感しました。フランスに向かって土下座します。本当にすいません。私が馬鹿でした。EMPERORが解散しようがANOREXIA NERVOSAの先行きが見えなかろうが、DEATHSPELL OMEGAがいればオールオッケー、ノルウェーを闇に葬り去るなりなんなり勝手にしてください。
ブラックとして最上級のトップスピードの上で、最上級のヒステリーと複雑さを保ちながら、これほど縦横無尽に躍動しているコードワークは聴いたことないです。疾走/爆走に先にあったのは悪魔の開放感/自由を得た歓びだったというか、つまりは、聴いてて「格好良い」とか「弾いてみたい」とかでなくて、「こんなん弾けるか」/「作れるか」/「一体何なんだこれは」/「このリフは生きてるんじゃないか」と感じるプロフェッショナルな一線級の畏怖を感じられます。
展開に関しても、基本ファストブラックでありながら多用される変拍子に、(テクニックに裏打ちされた)頻繁すぎてついていけないほどのドラムビートの切り替えが、聴き手の把握能力を奪って飲み込んでしまう。圧倒的な緊張感と混沌っぷりです。

メロディックブラックとして聴くと不満が出そうですけど、個人的にメロディはなくていいです。メロディやシンセがなくともファストブラックが芸術になるのだと今日初めて知りました。
→同意