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Reign of Light / SAMAEL
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2008-08-25 17:49:00)
2004年発表の6th。
SAMAELって96年に4thアルバム「Passage」を出して以降、一貫してブラック/ゴシックメタルにインダストリアルやエレクトロニカ要素を融合させた、他に無いタイプのメタルを演って来たと思いますが、ギターやリズムなどが最もメタリックな「Passage」、ダークでアトモスフェリックな「Eternal」と、どの作品もその中で特徴があるように思います。
この作品の特徴は、ダンサブルなリズムとキャッチーなヴォーカルラインでしょうか。特に後者、ブラックメタルの…というか、デスヴォイスで歌う音楽の中ではトップクラスのキャッチーさだと思う。デスヴォイスで歌ってるのに口ずさみたくなる音楽なんて他になかなか見当たらないです。こうした要素によって、単にポップになるのではなく、ノリの良さの中にどこか陶酔的なムードを感じられる音に仕上げてる辺りセンスは抜群ですね。
この美点は次々作「Solar Soul」で更に強まってますが、このアルバムを以ってSAMAELの音楽性は一つの完成形を見たと言っても過言ではないのではないでしょうか。また、再発盤にはPVやライブを収録したDVD(国内機=PS2で再生出来ました)が付いて来ますがこちらも必見。特に「On Earth」での観客に腕を大きく振らせるパフォーマンス…なんか普通のロックバンドのライブの大団円シーンを見ているような、ピースフルなノリでつくづくブラックメタルっぽくないです(笑)。ほんと変わったバンドだわ…。
ブラックメタルが好きなら初期作、シンフォニックブラックが好きなら「Eternal」がお勧めですが、それ以外の方にはこのアルバムか「Solar Soul」がお勧め。…っていうか、SAMAELはもっと聴かれて然るべきバンドだと思う。現時点では、私の知る限り日本では最も過小評価されているバンドの一つだとすら思うんですが…。完成度も高いし、フックもあるし、取りあえず騙されたと思って買ってみて欲しいです。
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