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臥龍點睛 / 陰陽座
meteora ★★ (2005-07-14 14:51:00)
今回の作品は色々な意見があるようですが、俺は陰陽座がメジャーデビューしてから出した作品の中では最高だと思います。前作夢幻泡影は1-6まで良かったけどその後だれるという竜頭蛇ヴィっぷりが気に入らなかったのですが今回は中々素晴らしい。これまででているアルバムの中で一枚通しで聞けるのは、煌神羅刹、百鬼繚乱くらいでしたがこのアルバムは久々に通しで聞けるほど中身が濃いです。
曲についてですが、1曲目は皆さんが言っている通り微妙ですね。いやよくよく聞いてみるとなかなか味のあるミドルチューンなのですが・・まあイントロだと思えばいいか。そして、2.龍の雲を得る如し、3.彷徨える、4.甲賀忍法帖の流れは最強です。それぞれ質の違うメロスピチューンを存分に楽しむことが出来ます。メロディの叙情度や煽状力が素晴らしい!5不知火は淡い感じのメロスピ。まあ次からの流れの箸休め的な位置づけ。そして、6.鬼ころし、7.月花、8.蛟龍の巫女という3強チューンがここで登場!!6は違うバンドを聴いているかのような迫力と突進力のあるスラッシュメタル。舞頸をさらにデスラッシュっぽくした感じ。7はサビの黒猫と瞬火のユニゾンボーカルがいい味だしている叙情的哀愁メロスピチューン。心に染み渡りますね。8は陰陽師を髣髴とさせるような悶絶キラーチュン!!傑作です!!そして9-11で組曲「義経」。9は瞬火ボーカルメインのメロスピ、10は様々な曲展開をみせつつ、黒猫の鬼気せまるような語りが激スゴの大曲。11は星の宿りのような美麗なメロディのバラード。この組曲は通しで聴いてこそ価値があります。凄い感動した。シングルカットで聴いた人もアルバムでは違った印象を受けるはず。こんなことが出来るようになったのも彼らがメタルバンドとして成長した証だと思う。しかしその感動を12のアイドル声お祭りチューンでぶち壊されるのはちょっと頂けない。なんだか鳳翼鱗瞳でも似たようなことがあったなあ。でもライブでやってくれると盛り上がるかも。
結論として最高傑作とまではいかなくても聴き応えのある秀作だと思います。瞬火のボーカルがまた一段と上手くなったのもいいです。悪鬼判官での彼の堂々と歌い上げるボーカルは素晴らしいし、鬼ころしでのデスボイスも中々様になっていますね。黒猫もボーカリストとして更なる成長を遂げています。そういった意味で、このアルバムはメロディは勿論、ボーカルを楽しむアルバムであるといえます。特に夢魔炎上の黒猫の語りは凄かった・・・。妖怪度はやっぱりあまりないけど、陰陽座はただのビジュアルバンドなんかではなく実力を兼ね備えたメタルバンドなんだ、といわしめるためには充分すぎるアルバムなのではないでしょうか。

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