この曲を聴け!
シフクノオト / MR.CHILDREN
no name ★★ (2005-07-10 00:43:00)
ミスチルは私が好きすぎて困る数少ないバンドです。だからいろんな曲をオススメしたいのですがあえて今回このアルバムを挙げます。
この作品は他に挙げられているアルバムと比べたらインパクトに欠けるかもしれません。でも、タイトルどおり至福の音を届けてくれます。明るい曲、暗い曲、穏やかな曲・・・どれも基本的に度が過ぎず落ち着いていますし、ジャケットワークと相まって、春の暖かい日差しに包まれながら川原でスケッチブックでも広げているような感覚を覚えます。平穏な日常の1コマの中での心の機微をさりげなく形にしたアルバムといえるのではないでしょうか。
最近のミスチルはロックバンドとしてではなくポップバンドとしてのスタンスを追求し続けていますが、前作「It's a~」までには感じられた表現者としての挑戦的なオーラがこのアルバムではほとんど感じられず、いい意味での脱力感が心地良いです。桜井が感じるままに曲を作り4人が感じるままにセッションして作り上げた、よりポップス寄りの「Q」といったところでしょうか。いや、もっと枠に捉われず自然体で作られている気がします。
全部で12曲でそのうちアルバムオリジナル曲は半分なので、その点やや物足りないかもしれませんが、トータルでのそのまとまりのよさや通して聴いた後の満足感はかなりのものです。オススメはシングル曲はもちろん、②と⑤は特に素晴らしい。そして、①→②、⑪→⑫の流れは最高。カップヌードルCMソングの「タガタメ」→あのマッキーも聴いて涙したという名曲「HERO」・・・この流れ、文句なしです。是非一度聴いてみて下さい。優しい感動に包まれること請け合いです。メタルを聴きすぎて疲れた耳に安息を与えてやるにはとてもいい、ミスチルの新しい名盤だと思います。