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Fused / TONY IOMMI
いおっみ ★★ (2009-11-23 15:58:00)
1985年の「SEVENTH STAR」、1996年(リリースは2004年だが)の「DEP SESSIONS」に続き、アイオミ/ヒューズ3枚目のコラボレーションアルバム。
この二人の共演は約10年に一度のようだ。
「SEVENTH STAR」のグレンはほぼ“歌うだけ"で曲作りに参加しなかったし、「DEP SESSIONS」はリリースするつもりのない“お遊び"だった。
三度目の正直と言うべきか、今回は記念すべき初の完全コラボでもあるのだ。
その内容はまさに“21世紀のBLACK SABBATH"だ。
アイオミ一流の重い曲、バッキングを切り裂くグレンの声。この対比の鮮やかさは70年代サバス、80年代「BORN AGAIN」、90年代Psycho Manに続くものだ。
新作に応じないオジー、激しく劣化したギランに希望を失っていたが、まさかグレンがその役を担ってくれようとは!
「DEP SESSIONS」とは違い、グレンのファンキーさが抑えられているのが嬉しい。
もちろん、LAメタルテイストの「SEVENTH STAR」とは似ても似つかない。
グレン独特のセンスはオジーやギランとはだいぶ違うし、正直なところ狂気がほとんど感じられないのは残念だ。
しかし、じっくりと沸き立つ情感がなんとも素晴らしく、狂気を補ってあまりある。
アイオミは重く引きずったかと思えば熱い情感を迸らせ、グレンはひたすらに叙情メロディと強力シャウトを繰り出して応じる。
特にラストのI Go Insaneには深く深く感動せずにはいられない。
そして「REUNION」や「IOMMI」、オジー、アリス・クーパーなど、近代きっての芳醇なヘヴィアルバムを作り上げたボブ・マーレットが全面参加。
本作は全曲「アイオミ/ヒューズ/マーレット」の作曲であり、さらにプロデューサーもマーレットだ。
ベテランの近作も素晴らしかったが、それにも増してマーレット効果が抜群に効いている。
これほどの作品はいつ以来だろう?「DEHUMANIZER」以来13年ぶり?
ともかく「SEVENTH STAR」「DEP SESSIONS」など問題にもならないし、グレン、マーレットの最高傑作とも断じたい。
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