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Grand Illusion / NOCTURNAL RITES
メタラァ ★★ (2006-07-23 00:16:00)
スウェーデン出身の正統派メタル・バンド、NOCTURNAL RITESの7枚目。そして最高傑作!!
1曲目である『FOOLS NEVER DIE』の重厚さで幕を開け、そこからはアップ・テンポ(疾走曲ではない)の曲が多く続く。中でも『STILL ALIVE』のドラマティックな流れ、メロディは多くの人を惹きつけて止まないでしょう!加えて、アルバム本編ラストである『DELIVERANCE』の力強く、勇壮で、なにか神秘的な祭典で歌われでもしそうな雰囲気でアルバムを閉める、こういった「ラストに大仰」という構成も、実は今までなかったものなので結構新鮮。
サウンド・プロダクションも、前作に比べると大分ソリッドになった点も嬉しいです。(個人的には『SHADOWLAND』のサウンドの方が好みなんですが、あれとは違った感触である本作も良いもんです)
まぁ、各曲の素晴らしさは曲レビューの方で触れているのでここでは置いておきます。
個人的になによりも嬉しかったのが、今までどこかしらにあった(特に前作に強かった)"ジャーマン"臭の減退です。勿論、今までもそこいらのHELLOWEENフォロワー・バンドに比べるとそれはうっすうすでしたが、そのジャーマン臭、というべきかメロ・スピ臭というべきか、とにかくそれが大きく減退したこと、これは巷に溢れるその手のバンドとこのバンドを大きく差別化する要因となってくれました。「疾走感に頼らずとも良い曲は出来る!」なんて、今まで他のバンドも散々証明してきたことですが、ここにきて改めて実感。ただ、勘違いして欲しくないのが、俺は"メロディック・スピード・メタル"とかその手の音が嫌いなわけではなく、むしろ大好き!ただ、ジョニー・リンドクヴィストの声には、今のこのバンドの音の方が合ってるなぁと前々から思っていたので。
勿論、本作が最高傑作なのは、音楽性の多少の移行だけが故ではない。たとえどんなに自分好みの音になっていようが、曲の良さなしに"傑作"なんて言葉は使わない。単純に、本作は素晴らしいメロディが詰まっているのだ。前作『NEW WORLD MESSIAH』は、ジャーマン色がジョニー加入後最も色濃く表れた作風だったが、そのメロディの出来故に俺は「最高傑作!!」と呼ばせて頂きました。しかし!!本作は前作を遥かに上回るメロディ・メロディ・メロディ!!どこを切ってもこのバンドらしい、そして素晴らしいメロディ!!先述の通り、『STILL ALIVE』はあまりに素晴らしく、このバンドの新しいアンセムとなるべくして生まれてきた曲です!!
また、その超一級のメロディを更なる高みへと押し上げているのが、御存知(?)ジョニー・リンドクヴィストの感情表現豊かな歌唱です。今までも素晴らしいシンガーでしたが、本作では"泣き"の部分も"力強さ"の部分も、双方で更なる成長を見せ、また、アルバムには直接の関係はないものの、ライブでもアルバムと遜色のない、勿論ライブならではの魅力も含めて、素晴らしい歌唱を披露してくれました!!
こんな素晴らしいアルバムを提供してくれる彼ら。そんな彼らは、既に次のアルバムに着手しているようです。
……それも良いんだけど、そろそろDVDの方も考えてくんないかな?(笑)
→同意