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Once Was Not / CRYPTOPSY
mokusatu ★★ (2006-05-13 02:56:00)
個人的に、3rd、4thと期待を裏切られ続けたが、2ndまで在籍していたLord Worm(Vo)復帰と聞いて喜び勇んで購入、その期待は完全に満たされた。素晴らしいデス・ボーカルである。さすがに1st、2nd時のようにはいかないが、これでも充分・・・いや、Mike Desarvoの後任であるのだから、これぐらい歌っぽい方が3rd以降のファンも安心なのかもしれない・・・いや、しかし、凄いボーカルだ。
デス声って実は歌(Vocal)というより、パーカッション(Throat)に近いものだが、この人のボーカルスタイルは、パーカッシブな心地良さすら消そうとする。つまり、こんなに音楽的に価値のない、酷いボーカルってないんじゃないかと(日本盤ボーナスのライブと原曲を比較すると特にそう思う)。
このバンドはアルバムを重ねる毎に、テクニカルな部分ばかりが増長し、そして、技術ばかり取り上げられてしまった。結果、近作は複雑化・難解化し、聴き手としては、通して聴くだけでも精一杯のアルバムだったと思う・・・だが、Lord Wormの無価値なボーカルは、バックの技巧や複雑さを相殺、展開を泥濘化する。逆に、これほどの技術を駆使して盛り立ててようやく、Lord Wormの声に生気が、意味が宿る(言い換えれば、「Lord Worm+下手糞な楽器陣」のバンドって、誰も見向きしない気がしませんか)。
デス史上最高峰の楽器陣と、デス史上最底辺ボーカルの組み合わせ・・・この、デス・メタル史上最大の矛盾・葛藤・無駄・馬鹿馬鹿しさこそが、CRYPTOPSYの魅力だと、私は断じて疑わない。Lord Worm出演のPVも最高だった。次作もよろしくお願いします。

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