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The House of Atreus: Act I / VIRGIN STEELE
ゴリャートキン ★★ (2008-08-12 06:45:00)

歌詞について
ストーリーは、トロイ戦争最後の戦いから始まる。
ギリシア連合軍の総大将、アルゴス王(ミケーネ王)のアガメムノンは10年続いたトロイ戦争についに勝利する。
狼煙のかがり火は山を連なり、ギリシア全土に勝利が知れ渡る。しかし王妃クリュタイムネストラはアガメムノンの帰還をまったく望んでいなかった。
試練の炎の輪(トロイ戦争)をアガメムノンはくぐりぬけたのだ。一方、トロイは徹底的に破壊された。しかしアガメムノンは本当に勝利のただ中にいるのか。
王の帰還をアルゴス市民(Elders)と王女エレクトラは讃える。アガメムノンは武神の加護(Flame of the Black Star=ヘラクレスの矢)ゆえの勝利と語る。
しかし王妃クリュタイムネストラこそ、武神の加護を頼みつつ、王への憎しみを募らせている最中であった。
不吉なムード(インストNarcissus:ナルキッソスは水面に浮かんだ自分に懸想し、転落して溺死した)の中、王は自分の邸宅に足を踏み入れる。
アルゴス市民はトロイ戦争の意義に疑問を持ち始め、アルゴスにも応報の破局がもたらされるのではと不安がる。
アガメムノンは、トロイ王女カサンドラを攫ってきていた。カサンドラは予言能力を持つと同時に、その予言は誰にも信じてもらえないという呪いを掛けられていた。
いまや王の愛妾に身を落としたカサンドラは自分の死を悟る。そのカサンドラは輪廻転生を繰り返す女、エマレイスの生まれ変わりであった(G Minor Invention)。
そして、ついに神罰がアガメムノンに下る。王妃クリュタイムネストラとその情夫アイギストスは、王のバスタブを血で赤く染める。カサンドラも一緒だ。
(しかし一体、何が神罰なのか。アガメムノンの曾祖父タンタロスは神を饗宴する際になぜか自分の息子を料理してふるまってしまった。
神に人肉を食わせたという大罪を犯したのだった。それゆえ「罪を犯し続ける」「血を流し続ける」という呪いを掛けられた家系なのである。
さらにアガメムノンの父アトレウスは弟のテュエステスと反目、その後、仲直りの饗宴と見せかけテュエステスの子を密かに惨殺し、それを料理に出している。
テュエステスは復讐を誓い、神託に従って自分の娘ペロペアと近親相姦し、アイギストスをもうける。
その後ペロペアはアトレウス妃となり、アイギストスは養子なったが、真実を知ったアイギストスはアトレウスを暗殺し、テュエステスを王位につけた。
しかしアトレウスの子アガメムノンはスパルタの力を借りてテュエステスを追放、アルゴス(ミケーネ)を取り戻した)
これがアイギストスの復讐の物語である。そしてクリュタイムネストラにも憎しみの理由がある。
もともとクリュタイムネストラはアガメムノンの従兄弟に嫁いでいたが、その夫を殺し、アガメムノンが奪ったのだった。
そしてクリュタイムネストラの娘イピゲネイア(一説には前夫との間の子)は、トロイ戦争の出征時に神への供物として殺されていたのだ。
アイギストスは父に、クリュタイムネストラは娘に、復讐の遂げられたことを報告する。
しかしこれは新たな新たな復讐の種を生んだのであった。その主は「母によって父を殺された」娘エレクトラと息子オレステスだ。
憤怒に満ちたエレクトラは炎の神に「罪人どもを焼き殺せ!」と祈願し、同時に幼き頃の母を思い出し悲しみにくれる。
この悲しみを歌った「Garden of Lamentation」の素晴らしさはただ事ではない!
そしてアルゴスでは、復讐に半生をささげてきた怒れる王アイギストスの圧政が始まる。一方でクリュタイムネストラはこの呪われた王家の血を制御したいと願う。
アルゴス市民、そしてアルゴスを脱出したエレクトラとオレステスの姉弟は絶望の中で、いつの日か敵に打ち勝つことを誓う。
ラストのインスト「Via Sacra」とは英語で「Sacred Road」の意。姉弟の復讐の道は次作へ続く。
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