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Operation: Mindcrime II / QUEENSRYCHE
殺戮の聖典 ★★ (2007-03-24 19:06:00)
ニッキーとシスター・メアリー,ドクターXとのストーリーを歌詞にした歴史的名コンセプト・アルバム「OPERATION:MINDCRIME」の発表から18年の歳月を経た'06年に発表された続編。
プロデューサーはジェイソン・スレイター。
少々きつい言い方になるが、個人的には近年の彼らが良質の作品を残しているとは思えなかったので、この続編を作ることが過去の栄光に泥を塗ることになるのではないかとの不安があった。
しかし、結果的には続編という名に恥じない完成度を誇る作品に仕上がった。
本作のストーリーは前作において逮捕され過去の記憶を取り戻したニッキーが出所してくる場面から始まる。
物語の始まりを予感させ、聴く者の高揚感を高ぶらせるイントロ「FREIHEIT OUVERTURE」、「CONVICT」からストレートな疾走チューン「I'M AMERICAN」への流れはなかなか感動的。
サビのメロディが風変わりな「ONE FOOT IN HELL」、ジェフの伸びやかな歌唱が素晴らしい「HOSTAGE」、名盤「EMPIRE」時代のサウンドを想起させるリーダー・トラック「THE HANDS」の3曲は、コンパクトながらも多くのファンが彼らに望むであろうスタイルの好曲。
バック・コーラスとの掛け合いが印象的な「SPEED OF LIGHT」、スリリングな疾走感を伴う「SIGNS SAY GO」、ストリングスのサウンドがシンフォニックに彩る「RE-ARRANGE YOU」と続き、御大ロニー・ジェイムズ・ディオとの夢の共演を果たした「THE CHASE」と曲の中で目まぐるしく展開が変わる「MURDERER?」は本作のハイライト。
ダウナーな気分にさせる「CIRCLES」、聖歌的なパートも美しい「IF I COULD CHANGE IT ALL」、ヘヴィでありつつもメロディアスな「AN INTENTIONAL CONFRONTATION」、静と動とが同居したサウンドを聴かせる「A JUNKIE'S BLUES」、「カモン!カモン!」とのコーラスがキャッチーな「FEAR CITY SLIDE」、パメラ・ムーアとの美しいデュエットを聴かせる「ALL THE PROMISES」でエンディングを迎える。
殆どの曲で流麗なギター・ソロが聴けるのも嬉しい。

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