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10,000 Days / TOOL
青山ボウイ ★★ (2006-07-01 01:22:00)
「AENIMA」、「LATERALUS」と来て「10000DAYS」。
題名的にこれまでの活動の総括的な意味合いもコンセプトとしてあるのかなと
思っていたんだけれどもそうでもないようだ。
何となく一聴したところ「LATERALUS」の曲と曲調が似ているな、と。
「LATERALUS」に入っていたとしたら違和感は感じるだろうけれど
アウトテイクだと言われたら納得するし。
しかしよくよく聴きこんでみると幾分それの時と比べて
曲が複雑難解、ボーカルパートは妙にキャッチーだと。
「LATERALUS」と比較ばかりなのだが前作が「空間に溶け込む」としたら
今作もそれに近いながらも曲がより具体的な印象があり(前作のように
やや抽象的なイメージが少なく)、簡単に言えば曲が「はっきり」している。
要するにそれはボーカルの所為だと思う。
APCの活動が「THE POT」を通して現れていると思うし。
そのような感じで前作と切り口が同じようで表現の幅は確かに広がったとは思う。
しかし何と言っても今回は決め手となる曲がないのは否めなかった。
「10000DAYS」「ROSETTA STONED」「RIGHT IN TWO」。
実際好きだし無性に聴きたい時だってあるけれど前作までの曲と比べると
何となく不完全燃焼なのだ。もう一押し足りない。
アーティストとして「良い曲」は増えたが「THE GRUDGE」の時のような
「度肝を抜かれる」ような「やられた感」は皆無であったのである。
エスニックに立脚していくのはわかったが焼き増し感がある。
インストが多く「曲」が少ないのも5年待った者としては寂しいのも事実。
収録時間の関係であっても2枚組みにするということはできないのだろうか。
メンバーの年齢、バンドとしての寿命を配慮して
そろそろ来たるであろう「ラストアルバム」、今度は2枚組みによる
超大規模な世界観を期待したりしてます。
TOOLならできるだろうし。
とにかく今作に限っては
「AENIMA」「LATERALUS」のような湧き上がるカタルシスはない。
そういう感想なわけです。
→同意