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Now, Diabolical / SATYRICON
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2006-05-11 23:08:00)
2006年発表の6th。
このバンドは3rdの「MOTHER NORTH」あたりで寒かったり荘厳だったりするメロディを極めてしまったのか、4thからはそういう感覚よりも厭世観を醸し出す作風になってきていますが、まさにこの作品はその延長線上にあるアルバムだと思います。
4thと比べると、寒さや荘厳さだけでなくブルータリティやスピードに割かれていたエネルギーを大幅に世を疎む力に変換したような作風で、基本的にミディアムテンポで、暗すぎるメロディのリフでじわじわと脳髄を浸食していくような印象を受けます。Satyrの書くリフはブラックメタラー全般に受けるような邪悪トレモロリフよりも平坦で鬱屈したものが中心だし、Frostのドラムも1349の時の様にブラストで全てをなぎ払うものではなく、あくまでタイトに曲を盛り立てていく感じで、ある意味ではマニアックとも言える作風だと思います。
もちろん音質は最高レベルで、特にギターがディストーションの音色の重さに頼り過ぎない繊細さがあって気に入りました。ドラムがかっちりしているのも曲と良くあってますね。Satyrのヴォーカルは機械的な印象すら覚える程に研ぎ澄まされたがなり声で、4thの時よりも更にかっこよくなっている感じ。吐き捨てるときに結構ドスも利いてて迫力あります。ぶっちゃけブラックでは普遍的名盤扱いされている3rdと比べるとかなり好みが分かれそうな感じですが、私的には今まで聴いたアルバムの中では最も気に入りました。
しかし、1349やKEEP OF KALESSINなど、このバンドに関わったバンドが次々に名盤を放出しているので、肝心のSATYRICON自身はどういうアルバムで来るのかと思ったら…。このバンドにMAYHEMやEMPERORなど、パイオニアとして地位を築いたバンドほど、更に音楽性を発展・変化させていく傾向が強い気がします。
もしかしたら前述の1349やKOKなど良質なバンドが頑張っているからこそ、彼らはこういう挑戦的なものが作れるのかもしれませんね。ちなみにこのアルバム、DFの「Attera~」同様、買うなら絶対日本盤をお勧め。「STORM(OF THE DESTORYER)」は今のSATYRICONがストレートな曲をやったらどうなるかという感じで、ブラックメタラーなら一撃で悶絶するクラスのかっこよさです。
日本に生まれて良かったかも(笑)
→同意