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Isa / ENSLAVED
mokusatu ★★ (2006-05-29 10:36:00)
2004年発表の8thアルバム。
速さにこだわってるわけでもない特別ブルータルなわけでもない、寒々しいメロディに満ちてもない勇壮なコーラスがあるわけでもないときて、日本ではヴァイキングファンやブルータルマニア、さらにブラック愛好者にまでそっぽ向かれてるであろう昨今のENSLAVED&このアルバムですが、彼らの根底に流れるブラック・メタル魂はなーんも変わってない事は一聴して分かります。
何と言うか、ブラストやらブルータリティやらヴァイキング・ハーモニーやらそういった、技巧的・表面的なものを全部取り去ったら、ノルウェー・ブラックの精髄・真髄だけが恐ろしく高純度で結晶化した、みたいなアルバムだと思います。
言い換えると、メジャー化しているという点はCRADLE OF FILTHやDIMMU BORGIRと同じなのに、要素の取捨選択が彼らと「逆」。
だからオフィシャルHPの写真は普通のメタル・バンドなのに、タイトル・トラック聴いた印象が「ヘヴィ・メタル化したBURZUM」などという鼻血出そうな出来事が起こるし、Abbath(IMMOTAL)やらNoctunal Culto(DARKTHRONE)をゲストに呼んで咆哮させておきながら、最後は何気に流暢なギターソロで締め括られて「SENTECEDか!!」と言いたくなるなど、このアングラとメジャーの激しい混交がこの先どうなるか非常に面白いと思います。
さらに、ヴァイキング要素は確かに楽曲からは感じられませんが、「世界樹(ユグドラシル)への帰還」などというタイトルの曲をドラマティックに歌い上げた挙句DVDのタイトルにすら採用するなどという事は並のバンドはしませんし、2006年のアルバム・タイトルが「RUUN」という事で、もうここまで来ると、ヘヴィ・メタル界に北欧神話"暗黒解釈"ブームがくるまでこのバンドを応援するしかない気がしてきました。

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