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Disintegrate / ZYKLON
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2008-05-26 19:10:00)
2006年発表の3rd。
仏像ジャケが印象的ですが、これSUNN O)))のSOMAが手掛けてたんですね…。

2ndは聴いてないんですが、サイバー/インダストリアルな要素を取り入れたブラックメタルのスタイルで、プロダクションもEMPERORの3rdのものをトレースしたようだった1stと比べるとほとんどデスメタルと化してますね。音質も分離やバランスが良くなり、より直接的に暴虐さを伝えるようになって、その中でSecthdamonの低音咆哮デス、Samothのリフ、Destructhorのリードフレーズ、Trymの豪腕ドラムの4者全てが上手く噛みあい、激烈さを表現してます。

1stよりもブラックらしさは減退しましたが、より狙いが明確になった感じで好きです。
私はこの手の音源は聴いていて激しさが気持ち良さに繋がるかどうかや、演奏、特にリフがかっこいいかどうかを重要視してるんですが、この作品はどちらもかなりのレベルで流石というほかないですね。欲を言えば、ヴォーカルは低音デスと絶叫に専念して欲しかったかな…基本かっこいい声ですが、濁声でほんの少しメロ付けて歌うような所はちょっと微妙かも。
デス化に伴って、サイバー要素もほぼ駆逐されてますが、メロディから感じられる無慈悲さは1stのサイバー要素が醸し出す無機質な世界観と通じる物があるのかもしれません。

ただ…私は日本盤を買ったんですが、帯や解説がちょっとチープな感じなのはご愛嬌としても、対訳が余りにも直訳でバンドへの愛情が全然感じられないのが残念。「Ferocious circle of fiends」を「恐ろしい友達の輪」と訳してたり全く意味不明な所もあるし…。この人、COFのNymphetamineの対訳もやってましたが、全然ヴァンピリックでゴシックな世界観を表現できてなかったし、ブラックの対訳は向いてないんじゃないでしょうか。Faustの思想に影響された歌詞を、分かりやすく、かつそれらしく訳せる人材を使って欲しかったです。

とはいえ、音は一級品なのでエクストリームメタル好きなら買いのアルバムだと思います。

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