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Let Clarity Succumb / CHAOS OMEN
Usher-to-the-ETHER ★★ (2006-10-09 20:15:00)
2006年発表の4曲入りミニアルバム。
音楽性的にはブルータル・ブラックに分類されるのでしょうか。
基本的にファスト&ブルータルですが、適度に展開を設け、一本調子にはならないブラックメタルをやっています。結構マイナーなバンドっぽいですが、聴かせどころではしっかりとトレモロリフでメロディを聴かせてくれたり、決してカルトなブラックメタルファンとアーティストの間での自己満足には終わらない、クオリティの高さのある音楽性を有していると思います。
音質は流石に日本盤が出るようなメジャーなブラックメタルバンドと比較するとちょっとノイジーでごちゃごちゃしてますが、おそらくこのバンドをチェックしているようなブラックファンであれば余裕で受け入れられるかと。低音もちゃんと効いていて、それがブラックの平坦リフと融け合って禍々しさを醸し出しながら疾走していく音楽性は、ブラック好きにはたまりません。
そして気になるNecromorbusのヴォーカルですが…
やっぱりFUNERAL MISTをやっていたので影響を受けているのでしょうか。TRIUMPHATORでのAriochを思わせるような、ネチっこい低音がなりで怨みを吐き出すような声。ドスの利き方はTRIUMPHATORでのAriochのそれに勝るとも劣らず、かなり邪悪。4曲目では悲鳴のような絶叫なども聴けます。個人的にはこのヴォーカルが一番の聴き所です。よく聴くと、このヴォーカルにエコーが掛かっていて、本ヴォーカルをもう一つの、音に溶け込んだ声が追いかけてくるような感じになってますね。これが更なる恐怖感を演出するのに効果を発揮してます。この辺のセンスの良さはちょっとFUNERAL MISTを思わせるかも。
しかしNecromorbusはほんと凄いミュージシャンですね…ヴォーカルも下手な専任Voよりも全然素晴らしいし、全ての楽器を一人でこなしているらしいです。北欧のブラックメタルシーンは一体どうなっているんでしょうか…。
ただこのアルバム、某有名CDショップで買ったんですが曲数の割に高い…4曲で2000円以上したので、一曲10分以上の大作でもあるのかと思ったら全曲4~7分台で普通の長さでした。とはいっても、これだけかっこいいブラックを聴かせてくれるのなら、充分満足ですけど。
ともかくTRIUMPHATORやFUNERAL MISTが好きなら必聴の音源です。
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