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LOUD'N'RAW / LOUDNESS

ブラック・ラズベリー・パイ ★★ (2009-10-26 16:57:00)
このバンドのファンからはかなり粗末な扱いをされておりますが・・・
個人的にLOUDNESSらしいかどうかは別にして、ROCKの素晴らしいLIVEアルバムであることに間違いない1作。
彼等のルーツたる70年代のサウンド・アプローチ=アドリヴ感満載のアンサンブルは、いわゆる重金属専門リスナーからすると違和感があるのかもしれません。ですが以前の隙の無いカッチリと練り上げられた構築型のサウンドでは実現不可能な、危ういスリリング性に満ちていて正直飽きない(笑)
ある意味、これが素の彼等なのかもしれません。
高崎御大のFAZZやフロント・シングルコイルの鳴らし方は本当に参考になるし、柴田御大のプレベ・サウンドも堂に入っていてホント心地よい。また本間氏のドラムは重たい一辺倒とは違う「後ノリのしなやかさ」が生むシンプルさが他のパート(特にVo)を引き立てるというお手本であり、MASAKIのダミ声ハイトーンがあのリフに絡んだ時の相乗効果は日本人であるというコンプレックスから来る悲観を忘れさせてくれる。
ウケ狙い等サービス精神の欠片もありませんが、ROCKというやりっ放しの哲学において実はそれらが重要なスタンスであることを再認識させてくれる。
パズルのピースはキッチリ合うことが求められるが、芸術には時に歪(いびつ)である
ことが次の創造に繋がるキッカケになると思うのです。