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Waiting for the Roar / FASTWAY
cozy_ima ★★ (2006-10-24 18:26:00)
デイブキングは、もともとメロディアス系のボーカリストだ。
FASTWAY自体、元モーターヘッドのエディクラークと、元UFOのピートウェイに
よって誕生したバンドであるが故に、極めてロックンロール色の強いバンドで
あった。
しかし、デイブキングは、ブルースより、よりメロディアスな歌を得意として
いるため、FASYWAYの初期の2作においては、本領発揮とはならなかった。
キングの、その声質からしてプラントとの比較論が先行し、あたかも、生粋の
ブルースボーカリストにあるかのように思われたが、実はそうではなかった。
デイブキングは、分かりやすい比較で言えば、レニーウルフに極めて近い。
同じプラント系と誤解されているが、まぎれもなく音数の多いメロディアス系の
歌を得意とするボーカリストだ。
で、本作であるが、過去2作のロックンロール色を極限まで薄め、メロディアス
ハード路線に徹している作品だ。そしてデイブの本領がいかんなく、発揮され
ている。カトマンズで、少しばかり脚光を浴びたようにも思うキングだが、
本作こそ、彼が関わったアルバムとしては、間違いなく最高傑作に位置する。
一言で言えば、哀愁メロディの大洪水である。
当時、メイデンにしろ、ジューダスにしろ、シンセ音を多用し、軟弱になったと
言われたが、このFASTWAYもそれと同じような憂き目にあった。後々、前者の
作品は、その知名度ゆえ、時の経過とともに、逆に高く評価されたが、
悲しいかな、FASTWAYのこの作品は、闇のかなたに葬りさられてしまった。
ところどころに顔を見せる、エディの骨太のギターワークが逆に涙を誘う
摩訶不思議なアルバムだ。
ブリテッシュハードロックの歴史にその名を残すべき超名盤として、本作を
押しておきたい。
個人的にはストーンフューリの1STと同レベルの作品と思っている。
メロディアスハード、特にブリテッシュ系に目のない方には、ぜひ聴いて欲しい。
→同意