この曲を聴け! 

RAKA / 志方あきこ
Usher-to-the-ETHER ★★ (2006-10-26 22:26:00)
2006年発表の3rd。
私は「廃墟と楽園」で彼女の音楽性に触れ、そのマニアックさと取っ付きやすさの神懸り的な
バランスの良さとオリジナリティに深く感銘を受けたんですが、前作の「NAVIGATORIA」では
ややポップな方向に傾いてしまい、そのバランスが少し崩れた上にオリジナリティも薄まって
しまったように感じてしまったんですが、更に深い世界観を引っさげて帰ってきました!!
基本的には「廃墟と楽園」の民族音楽の要素が強い、聴き手のイメージを刺激するような
幻想音楽なんですが、多重コーラスや神秘的な雰囲気など彼女ならではの個性は、更に強く
どぎついとすら思う程にパワーアップしてます。構造的にポップな要素が強い曲でも
トライバルなリズムが強調される物が多く、以前よりも力強さを増しているし、コーラスを
中心に聴かせる曲は「廃墟~」の「MARE」「SE L'AURA SPIRA」あたりの曲と比べると
ややキャッチーさが減退しているものの、重厚さは増していてかなり聴き応えありです。
また、琴や胡弓など今までよりも音色自体が増えてるのも聴き所ですね。
ヴォーカル面でもかなり進化、深化してますね。
まず「ラヂヲ予報」「空の蒼~」なんかで使われていた少女っぽい歌声は今回はなりを潜め、
「古」「MAKEDA」あたりで使っていた巫女チックな鬼気迫る歌声が中心。
しゃくり上げ、コブシなどの装飾音的なヴォーカリゼーションも以前よりも更に多くなり、
正に絶唱といった雰囲気を呈してます。しかしそれでいて繊細さが要求される曲においての
表現力も進歩しているというのだから本当に凄い。まだまだ伸びるんでしょうね、この人。
ちなみに今回はコーラスは150声以上重ねたのもあるとか…「星詠」ですら100声だったのに。
しかしそれでも殆どの曲にはごく親しみやすいメロディラインがあり、決してマニアックに
なりすぎない間口の広さがあるから素晴らしい。ほんとバランス感覚良いです…。
私的には、もう「この人がJ-POP界に革命を起こすかもしれない…」なんていう評価ではないです。
なぜならこのアルバムがJ-POPのシーンにドロップされた事自体が革命だと思ってますから(笑)

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