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Generator / ABORYM
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2006-11-07 20:12:00)
2006年作の4th。
Attila脱退、Faust加入というブラックメタルの伝説的メンバーの人事も含んだ編成の変更があっただけあって、音楽の中身もかなり変わってますね。まずインダストリアル風味は大幅に減り、ほんの味付け程度に。代わりにテンポがよく変わる複雑な展開とオーケストラ風のシンセや時折入るラテン語の荘厳なコーラスなどが前に出た、シンフォニックさが以前よりも強調されたアルバムになっていると思います。音質もドラムの音がデカく迫力がある上に音量も丁度良い大きさで、曲もメンバーの写真がまともになったことからも想像される通り、B級っぽさは全く無く第一級のシンフォ系のバンドと比較しても全く引けを取らないクオリティの高さです。
メジャーなシンフォ系のバンドと比較すると暗黒度は高めなのも嬉しいですね。機械文明の支配する未来、遂にヨハネの預言が成就し審判の日がきたかのような雰囲気です。肝心のFaustのドラムですが、確か彼って結構最近まで刑務所にいたんですよね?明らかにEMPERORの時より凄くなってるんですが…ノルウェーの刑務所はドラムが持ち込めて練習出来たとしか思えません(笑)。いや、ほんとに電子ドラムぐらいは持ち込めるのでは…。これだけテンポがころころと変わる作風なのに、まるでドラムという楽器を媒介にして歌っているような叩き方。正直ドラムだけに集中して聴いていても飽きないくらいです。かと思えば、「Man Bite God」などでは物凄い重量感のブラストも…いや、ドラムを叩く楽しさを満喫してますね、Faustさん(笑)。ギターリフも今までより印象に残るメロディが多く前述の様にキーも前に出てるので、そのアンサンブルを味わう楽しみも増しています。
ヴォーカルはMYSTICUMの人に代わってますが、前作のAttilaのゲロゲロした高音のがなりとそれほど変わる歌い方ではないので、違和感無く曲にあってます。っていうかドラム、キー、ギター等に比べるとあまり前に出てきませんが…。メカ度が減ったので、個性という面では減退したかもしれないし、複雑なテンポチェンジはもしかしたら取っ付き辛いのかもしれません。でもこれだけ高品質ならばこの変化は大歓迎。ほんとに、これ程凄い作品ならもっと早く買っておけば良かったです。
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