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Master / MASTER
火薬バカ一代 ★★ (2008-07-04 00:04:00)
結成は'83年とかなり古く、一般的な知名度こそ低いものの、マニア筋からは、スラッシュ・メタルとデス・メタルの
結節点として高い評価と人気を得る、ポール・スペックマン率いるシカゴ出身のトリオが、'90年にNUCLEAR BLASTから
リリースした1stアルバム。(正確には、'85年に制作されたが、お蔵入りしてしまった幻のデビュー作『UNRELEASED 1985』もある)
スコット・バーンズをプロデューサーに迎え、1度レコーディングした内容がレコード会社にダメ出しを食らい、
異なった面子で再び録り直すという、煩雑な経緯を辿って発表に至った作品なれど、歪な音色で刻まれる禍々しいGリフに、
重量感溢れる2ビートでラッシュするDs、ゴリゴリと動き回る硬質なB、そして反体制・反社会的な歌詞を
叩きつけてくる吐き捨て型のVo・・・と、飾り気のない、オーソドックスなデス/スラッシュ・メタル・サウンドが
ギュウと詰め込まれた内容は、理屈抜き、問答無用のカッコ良さを誇る。
トータル・ランニング・タイムは30分弱、1曲平均2分半と、楽曲は非常にタイトな構成ながら、
シャープに切り込んで来るメロディアスなGソロが、単なる彩り以上の存在感を発揮している点も◎。
重戦車の進撃を思わせる迫力と、キャッチーさを併せ持った名曲②を筆頭に、全編に渡って疾走しまくりの収録曲は、
何れ劣らぬ力作揃いなれど、中でも特筆すべきは、ベース・ソロを序曲代わりにスタートする、BLACK SABBATHの
代表曲のカヴァー⑧。重々しい雰囲気の漂う原曲を、スピーディ且つドラマティックに再構成した技ありのアレンジは、
「この曲を聴くためだけに本作を購入しても損はない!」と断言したいくらい、(まさに↑の方の仰る通り)クールな出来栄えを誇る。
デス・メタル、スラッシュ・メタル、双方のファンにアピールし得る魅力を備えた1枚じゃないでしょうか。

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