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Bat Out of Hell III: The Monster Is Loose / MEAT LOAF
火薬バカ一代 ★★ (2009-05-28 19:54:00)
ミートローフとジム・スタインマンの仲違いが原因で、発表まで実に13年もの歳月を要した『BAT OUT OF HELL』シリーズ第3弾。
そのため、今回ジムはアルバム用に7曲の既発曲を提供するのみに留まっており、彼に代わるミートローフの新たな
パートナーには懐かしや、デズモンド・チャイルド御大が起用。その他にも売れっ子ライターやら大物ミュージシャンやら
錚々たる面子がゲスト参加していて、この過去に例を見ない豪華な布陣からは、ジム不在の大穴を埋めるべく
なりふり構ってらんないミートローフ側の切羽詰った事情が透けて見えなくもないが、とは言え、
優れたアーティスト達が優れたパフォーマンスを提供してくれているのだから、文句を言う筋合いなど全くない。
派手な曲展開は抑え気味に、重厚且つシンフォニックなアレンジが施された楽曲の数々は、前2章とはやや趣きを異するものの
相変わらずハイクオリティで、特に今回はメロディの充実っぷりが他作品と比較しても突出。MEATLOAFのアルバムで
ここまで欧州風味の翳りを湛えたメロディを聴く事が出来るモノは他にないんじゃなかろうか?
中でも、重く澱んだGサウンドがゴシック・メタル的な雰囲気を漂わす①、悲しげなピアノの旋律を纏って劇的に盛り上がる②、
ミートローフの絶品の歌唱が息苦しいまでの感動を呼ぶ⑤⑨、物々しく緊迫感に満ちた⑥、そして“カルミナ・ブラーナ"ばりに
大仰でシンフォニックな序曲⑦から繋がっていく、心が浮き立つような飛翔感に彩られた⑧といった楽曲は、
本作でしか聴く事の出来ないタイプの名曲。勿論、爽快感&高揚感溢るる④⑪⑫、著名な女性シンガーとの
デュエットが胸に沁みるソウルフルなバラード③⑬といった、従来の「らしさ」を保った楽曲の素晴しさも言うに及ばず。
個人的には『地獄のロックライダー』シリーズは元より、MEATLOAFの全カタログの中でもベストに押したいぐらいお気に入りの1枚。
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