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The Black House / KRIEG
Usher-to-the-ETHER ★★ (2007-03-08 10:45:00)
2004年発表の3rd。
レビューサイトなどを見ると、KRIEGはこのアルバムの評価が最も高いようですね。
彼らの普通のスタジオ作品は、「The Church」が微妙な出来だったので、買おうかどうか
迷った末に購入したんですが…これは渾身の作品とも言える名盤だと思います。
まず、音質が大幅に改善されています。
いかにもカルト・ブラック的な高音域のノイズを殊更に強調したサウンドではなく、低音も
しっかり効かせたバランスの良い迫力ある音作りで、大音量で聴くと非常に気持ち良いです。
そうするとヴォーカルの声のデカさに耳がやられそうになりますが、それもまた快感(笑)。
聴きやすい音になったと思いますが、ツーバス連打がヘリコプターの飛行音の様に聴こえる
RAWなドラムの音がブラックらしくて、決して温くなった訳ではないのが良いですね。音量も適正。
ヴォーカルも別人のよう。
「Patrick Bateman」の時同様の超ドスの効いた咆哮スタイルで、マジで怖い声。
北欧のブラックメタラーがキリスト教による侵略や、そのメンタリティへの反発を込めて
叫んでいるのだとすると、Imperialの咆哮はヨーロッパの侵略を受けたインディアンの
酋長の怒りといった感じでしょうか。ところどころ声がデカすぎるのか、音が割れそうに
なってるし、脳の血管が切れて寿命が縮みそうなくらい憎しみを込めて叫んでます。
また、曲も大幅にレベルアップしていると思います。
メロを聴かせるべき部分ではちゃんと良いメロディを聴かせてくれるし、暴虐な部分は
凄まじく暴虐なため、展開にメリハリがあって引き込まれる。アルバムの長さも40分強と
この音楽性に丁度良い長さ。カルト扱いされる事の多いバンドですが、「The Church」や
「Patrick Bateman(個人的には超名盤)」はともかく、このアルバムは初心者も問答無用で
引き込むくらいにブラックの魅力に満ち溢れたアルバムだと思います。
最近はXASTHURを始めとして、LEVIATHANやJUDAS ISCARIOTなどのアメリカ産のブラック
メタルバンドが注目を集めてますが、このKRIEGももっと評価されても良い存在だと思います。

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