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Andacht / LUNAR AURORA
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2007-04-11 23:11:00)
2007年発表の8th。
私は彼らのアルバムは「ZYKLUS」を持っていて、その印象では「独特で良い音楽を演ってるけど、ちょっとカルトすぎるかな…?」という感じでした。とんでもないですね。彼らの力を見誤ってました。これはマジで素晴らしいアルバムです。
「ZYKLUS」と比べると流石にノイジーさは軽減されていますが、やはり空間演出の上手さは超一流ですね。中心に据わるブラック然とした、ややノイジーな真っ黒いバンドサウンドに神秘的なキーボードやトレモロリフ、祈祷のようなノーマル声やねっとりとしたベース等が絡みつき、彼ら独特の音像を作り出しています。SEやサンプリングの使い方も上手く、深遠な恐怖感を演出するのを助長していると思います。
…これだけでももう雰囲気はたっぷりですが、雰囲気だけではなく、曲展開がドラマティックで「魔性」を潜ませたようなメロディセンスも抜群に良いのが素晴らしい。
例え豪速でブラストが炸裂していても、安易に体感速度を上げるようなリフを乗せることなく、上記のような音によって作られる漆黒の靄のような音が上に乗り、それによって深淵の底へと真っ逆さまに落ちていくような感覚を味あわせるかの如き音作りも独特。
ヴォーカルもいかにもブラックらしいキレのあるがなり声からキチ系の絶叫、低音での本能的恐怖を喚起させるようなデス声、魔導書を詠みあげるような威厳に満ちた語り、悪魔への祈りのようなノーマル声など多彩なスタイルを使いこなしてますが、そのどれもが曲の展開に完璧にマッチしているのが凄い。
曲は長めのものが多いですが、これだけ雰囲気が良く、展開もドラマティックとなると、気がつけば音に引きずり込まれて、いつの間にか終わっているという事も少なくないです。
割とマイナーなバンドながら、この耽溺性はEMPERORやLIMBONIC ARTなどの有名なシンフォニックブラックのバンドとも比肩するか、もしくはそれ以上と言っても過言ではないのではないでしょうか。ほんと名盤です!!
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