この曲を聴け! 

De Ware Hond (stavelot - Ghent) / LUGUBRUM
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2007-05-03 20:58:00)
2007年発表の7th。
…結構ベテランなんですね、このバンド。

まずジャケからして不思議なオーラが発生してます。
エルフなのかおっさんなのか良く分からない奇天烈なクリーチャーが黒いYシャツを着て「えへへ」という感じの表情で頭を掻いている意味不明さ。この時点で変態系駄目な人は避けるだろうと思われるので、ある意味親切なジャケといえるかもしれません。

音的には、サックスやオルガンをフィーチャーした前衛変態系ブラックという事が出来ると思いますが…。前衛ブラックではVED BUENS ENDEやSOLEFALDが挙げられますが、VBEはジャズにも通じるテクニカルな演奏力、SOLEFALDにはドラマティックで取っ付きやすい曲作りなどある程度メタル好きには受け入れやすい要素があるのに対し、このバンドの曲が醸し出すのはひたすら不条理で、かつユルい空気感。

ヴォーカルも結構しゃがれた声ですが、邪悪というよりはむしろ酔っ払っているみたい…。そんな空気感を保ったまま、なかなかかっこいいリフを聴かせるブラックになったり、VBEを思わせる即興みたいなアンサンブルを聞かせたり、ドゥームの様に引きずるリフで引っ張ったり、サックスやオルガンに主導権を託してブラックから乖離し呪術的な雰囲気を醸し出したり、とにかくやりたい放題。

結成はブラック黎明期の92年らしいですが、こんなストライクゾーン狭そうなサウンドで15年も続いて、しかもそれをキープしているバンドがいるという事が驚きです。(これしか聴いてないので、初期はもっとまともだったのかもしれませんが…)

…とは言っても、15分の大作をしっかり聴かせきってしまう辺り、センスの高さはあると思うので変態系ブラック好きなら試してみて損はないかと思います。

→同意