この曲を聴け! 

United Abominations / MEGADETH
ヤング・ラジオ ★★ (2007-05-10 17:10:00)
僕はHR/HMを聞く前に、ポップス等のいわゆるトップ40モノをよく聞いていた時期があった。それらを聴き始めて3~4年が経過すると、新作を聞く場合は前作をいかに上回るかという視点で聴くようになっていった。
80年代の後期から実は、トップ40モノの作品は、クオリティーが落ちていった.....。音楽的な方向性はあまり変わっていないにも関わらず、楽曲の出来が落ちていったのである。
HR/HMシーンの停滞は90年代の初期~中期なので、それよりも先にその現象は起きていた。好きなアーティストが総崩れ状態になっていく中で、僕は自然にHR/HMに流れていったのである.....。
この新作、楽曲的には前作と大して変わりはないように思う。前作も集大成的な内容であったが、今作も集大成的な内容になっている。まあ最大の違いは、鋭角的な要素が減ったという部分だけである。言い換えれば、前作は作りっぱなし的な感覚が強かったが、新作は作りこんだという印象が強いという事である。
メガデスというバンドは、不器用なバンドである。そこがファンにはたまらない。例えば、やりたくない事をしてまで売ろうという感覚が、このバンドには無い。時流への迎合等、皆無である..........。
僕は今さら、彼らに劇的な変化を求めていない。確かに、どこかで聞いたようなフレーズもあるにはある。しかし、彼らも歴史が長いのである。どんなに有能なソングライターでも、過去の楽曲と全く違う楽曲を書くのは、不可能に近い......。それを意識しすぎると、らしさを失うというリスクを伴うのである。
僕は正直、良い出来だと思う。音楽的方向性を変えずに、こんなにコンスタントにいい作品を作り続ける彼らを僕は評価したい。楽曲のレベルの高さは、さすが!の一言である。

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