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Black Rain / OZZY OSBOURNE
殺戮の聖典 ★★ (2008-01-20 10:23:00)
前作「DOWN TO EARTH」発表後、TV番組「THE OSBOURNES」のヒットによりすっかりお茶の間の人気者と化した闇の帝王オジー・オズボーンが、スタジオアルバムとしては約6年振りに世に放った'07年発表の9th。
メンバーは、ザック・ワイルド(G)、マイク・ボーディン(Dr)のほか、METALLICAに加入したロバート・トゥルージロに変わり、ROB ZOMBIEのバンドにいたブラスコ(B)が参加(ツアーには一時、METALLICAを脱退したジェイソン・ニューステッドを参加させていた)。
プロデューサーには「UNDER COVER」にエンジニアとして参加していたケヴィン・チャーコを起用。
前作では作曲に関わることのなかったザックが、本作ではプロデューサーのケヴィンとともに作曲にほぼ全面的に参加。
その結果、ザックならではの魅惑的でパワフルなギター・リフの詰まった好作品に仕上がった。
現代版BLACK SABBATHのようなパワフルなギター・リフを持ったヘヴィ・チューン「NOT GOING AWAY」、まるでROB ZOMBIEのようなグルーヴ感を持つリーダー・トラックの「I DON'T WANNA STOP」、中近東風のメロディを導入し、オリエンタルな雰囲気を醸し出すことに成功した新機軸のタイトル・チューン「BLACK RAIN」の冒頭3曲は特に強烈。
愁いを帯びたバラード「LAY YOUR WORLD ON ME」、終始ハイ・テンションで突き進む「11 SILVER」、FAITH NO MOREにも似た曲調の「CIVILIZE THE UNIVERSE」、オジーお得意の甘いメロディを備えたバラード「HERE FOR YOU」、ザックの破壊力に満ちたギター・リフがかっこいい「COUNTDOWN'S BEGUN」も素晴らしい。
個人的には、ブラスコによるベース・ラインが印象的な「THE ALMIGHTY DOLLAR」とオジーの魅惑的な歌メロを中心とした「TRAP DOOR」といったザックが作曲に関わっていないモダンで実験的な曲よりも、緻密に刻まれるギター・リフの「I CAN'T SAVE YOU」やピアノをバックにした美しいメロディの「NIGHTMARE」といった伝統的ヘヴィ・メタルの薫りのする2曲の日本盤ボーナス・トラックを本編に収録して欲しい気はする。
いずれにしろ、KISSと同様、強力な最新作を出さずともツアーを行えるほどに存在が神格化したオジーがこのような充実作品を発表してくれたことに敬意を表したい。

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