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Grimen / HARDINGROCK
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2007-08-29 10:39:00)
2007年発表の1stアルバム。
まさかIhsahnがこういう音楽性まで出来るとは…ほんと彼の多才さには恐れ入ります。

内容は、ノルウェーのトラッドを主にメタルを中心とした現代の音で解釈したと言えるもので、コンセプト的にはSatyr(SATYRICON)やFenriz(DARKTHRONE)等がやっていたSTORMに近いものがあるのかもしれませんね。ただ、ギターの荒さなどプリミティブ的な感覚すら想起するSTORMに比べると、こっちはフィドル奏者が正式メンバー(リーダー?)だったり、どこか後期PECCATUMにも通じる上品さが感じられたり、よりブラック色は希薄。

この作品の一番の特徴は、やはりGrimen氏のフィドルでしょうか。
ノルウェーの小さな村の収穫を祝う祭りで、村娘が投げたブーケを受け取った人は幸せになれる…みたいなストーリーが勝手に浮かんでくるような民族クサメロで、曲を縦横無尽に彩ってます。付属の解説を読むと悪魔が出てきたり結構ダークな物語が根底にあるらしく、フィドルのメロも時折ダークさや神秘性を垣間見せますが、基本的には叙情メロで大きなウリになっていると思います。音色自体も民族楽器ならではの繊細さや素朴さがあって好み。

また、時々母国語による彼の語りが入るのも大きな特徴と言えるかもしれません。ノルウェー語なので何を言っているのか全く分かりませんが(笑)、なんか村の長老から民話を聞かされているようなフィーリングがあって良いと思います。英訳が欲しい…。

ただ、前述したようにブラック色はかなり薄く、Ihsahnのデス声を除くとブラック的な要素は殆ど無い…というか、メタルをベースにトラッド要素を取り入れていると言うよりも、メタルとトラッドを同じくらいの割合で融合させているという感じなので、Ihsahnのネームバリューからブラック的なものを期待すると肩透かしかもしれません。

とは言え、今までの彼の関わったバンド同様、相変わらず高品質なものを提供してくれているので、彼の創造性に惹かれている方や民族系好きな人ならば購入の価値大有りです。何気にクサメタラーにも大推薦。

しかし、やっぱりIhsahnって天才の二文字が相応しいミュージシャンですね…寒々しいコールドブラックからプログレッシブでテクニカルなブラック、ゴシックメタルにアヴァンギャルドなダークロックからトラッドまでこなし、全てが良い出来とは…。彼はノルウェーの至宝ですね。

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