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Sworn to a Great Divide / SOILWORK
ヤング・ラジオ ★★ (2007-10-23 17:50:00)
唯一このバンドに弱点があるとすれば、それは楽曲を個別に聞いた場合の楽曲の類似性からくる1曲1曲の魅力の乏しさだったかもしれない。
実はバンドには2つのタイプがあって、シングルの寄せ集めのように1曲1曲を単体で見せるタイプと、1曲1曲はちょっと弱いかもしれないけど一枚のアルバムで、トータルとして統一性で勝負するタイプがある。間違いなく彼らは後者であった.......。
今度の新作の違和感の原因は、ズバリここにある。決して違和感=悪いということではない。メインのソングライターのチェンジが、このあたりに影響を及ぼしているのかもしれないが、これは大きな変化である。後者から前者へと、シフトチェンジしようとしているのである。
作品の質感は、前作までと明らかに違う。でもそれが逆に新鮮さを生み、マンネリからの脱却にプラスに働いている。この新作が新鮮に聞こえる原因が、ここにある。
しかし、同時に失ったものもある。アルバムを一気に聞くとわかりやすいが、今までの作品にあった一枚のアルバムとしての威圧感の減少である。彼らの最大の魅力の一つ、威圧感は楽曲が単体的になった事で、少し減少してしまっている。
でも、さすがである。なんだかんだ言っても、作品のレベルは客観的に聞いても高い。大物バンドは、変化していく運命にあるという法則に漏れることなく、彼らも進化を続けている。前作や前々作にあったメロディーのキャッチーさは少し後退したが、楽曲の面白みはそれを補ってあまりある結果をもたらしている........。やっぱり、期待を裏切らないバンドである。
→同意