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Cask Strength Black Metal / DEAD RAVEN CHOIR
Usher-to-the-ETHER ★★ (2007-12-01 00:15:00)
2005年発表の2枚組音源集。999枚限定。
…よく参考にしているブログで紹介されてて、「フォーク系なのにノイズ・プリミティブって一体どんなのだろう」と興味を持ったんですが、これは面白いですね。本当にフォークとノイズの要素を両立させているブラックメタルです。
基本的にはILDJARNやSORTSIND、AKITSA等同様、「音質の悪いバンドサウンド」を超越して、ノイズミュージックの域に達したようなブラックですが、ILDJARNなんかはまだバンドサウンドである事がちゃんと分かるような音楽性ですが、こっちは多くの曲がドラムが入ってるのかも不明、リフも判別が難しいほどに歪んだ真性のノイズに近いサウンド。ドラムが聴こえにくい分、ILDJARNよりも少し取っ付きづらいかもしれません。ほとんど音飛びのような曲間のつなぎといい、かなり徹底してます。
クレジットを見ると、フィドルやチェロ、バンジョーやマンドリンなんかが使われているようですが、それらの楽器がノイズ地獄の中から微かにフォーク的メロディを奏でてます。曲によってはマンドリンが琴に聴こえるし、メロディもどこか和っぽく聴こえるしで日本人にも案外受けるかもしれません。日本のノイズって海外での評価も高いようですし。そう思い始めると、ジャケもどこか和風ホラー的な雰囲気がある気も…?
ですが、ノイズ的手法とフォークを両立させている事よりも、本当に凄いのはチェロの使い方かもしれません。チェロのうねりのある、有機的な音色がノイズのザラついた無機質なサウンドと絡むとなんとも言えない、独特のフィーリングがあるんですよね…。この感覚、狙って出してるんでしょうか。だとしたら凄いと思います。
そういう訳で、JAZZKAMMERやMERZBOWが大丈夫なブラックメタラーにはかなりお勧め。余談ですが、このアルバムは2枚組で、ディスクの番号の表記が無いです。しかも開封したら、なぜかDISK2の方が上に入ってました…。そんな所まで過激にならなくてもいいのに(笑)
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