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Solitary Solitude / MELIAH RAGE
火薬バカ一代 ★★★ (2007-12-03 21:43:00)
デビュー作の成功に気を良くしたレーベルの提案で、「歌詞が過激」との理由から同作US盤ではカットされてしまっていた名曲“KILL TO SURVIVE”をリーダー・トラックとする5曲入りEP『LIVE SURVIVE』のリリースを間に挟み、’91年に発表された2nd。
前作は、スラッシュ・メタル然とした尖り具合よりもパワー・メタリックな整合性を重視するサウンドがマニアの間で賛否両論あったものの(個人的にも当初は圧倒的「否」派。その後手のひらをクルッと返しましたが)、今回はメロディが増量され、中~低速度をメインに、どっしりとしたヘヴィネスを効かせたパワフルな楽曲が本編の大半を占める構成からも明らかな通り、更にその路線を推進。予算倍増で黒光りする重厚感を獲得したプロダクションや、MELIAH RAGEなりのバラードと言うべき⑤、ハーモニーを活かした⑥といった楽曲を始め、以前に比べ抑揚のついた歌メロをなぞるようになったVo、一層構築度を高めたツインGもそれを効果的に援護射撃しています。
その結果、③とか⑥とか結構露骨にMETALLICA追従の姿勢が鮮明になってしまっていますが(当人達は影響を否定していたけど、そりゃ嘘だろうと)、本作の魅力が判り易く詰め込まれた勇壮且つダイナミックな①④、ツインGの活躍が光る疾走ナンバー②、ドラマ性とノリの良さ併せ持つ⑦、叩き付けるような⑧、アコギによるイントロから重々しく劇的に盛り上がっていく⑨といった楽曲を聴く限り、アルバムの完成度には些かの翳りも見受けられません。(日本盤は『LIVE~』からのボートラ2曲を追加収録)
…にも関わらず、スラッシュ冬の時代が目前に迫っていたこの時期、バンドはこれを最後にレーベルから切られてしまうのだから、メジャーの世界ってのは世知辛いものよなと。

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