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Breaking Point / HERETIC
火薬バカ一代 ★★ (2008-01-12 01:54:00)
METAL CHURCHの二代目フロントマンとして知られるマイク・ハウが、それ以前に在籍していた
LA出身の5人組パワー・メタル・バンドHERETIC、'88年発表の1stフル・アルバム。
METAL CHURCHの司令塔カート・ヴァンダフーフがプロデュースを手掛けた本作は、どうにも垢抜けない印象の漂っていた
デビューEP『TORTURE KNOWS NO BOUNDARY』から一足飛びの成長を感じさせる内容で、前任Voとの格の違いを見せ付ける
マイクの光沢を帯びた歌唱と、叙情的なインスト曲を要所に配した劇的な本編の構成に加えて、アコギ/Keyを巧みに
織り込んだアレンジや、2本のGから紡ぎ出される、ヨーロピアンな湿り気をタップリと含んだメロディにグッと深みが
増したことで、楽曲に宿るドラマ性が急上昇を遂げていて、本格派パワー・メタル・バンドとしての
貫禄に満ちた作風に仕上がっている。また、カートがかなり深く曲作りに関与したのか、Gリフの刻み具合が
強烈な②⑦を始め、METAL CHURCH的な要素を備えた楽曲が収録されているのも、本作の特徴と言えるかも。
尤も、METAL CHURCHに比べるとずっと正統派HM寄り(メロディック)なサウンドが彼らの持ち味であり、
特に、叙情的なイントロを打ち破って、ソリッドに疾走するバンドのテーマ・ソング①は、全メタル・ファン必聴の名曲。
エレアコを効果的に用いた勇壮な③、2本のGがじっくりとドラマを練り上げていく緩急の効いた⑤、
本編ラストをドラマティックに飾るパワー・バラード⑩といった楽曲も、このバンドならではの個性が光る仕上がり。
日本盤が発売されていないのが不思議なくらい、ハイクオリティな内容を誇る名盤です。

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