この曲を聴け! 

In These Veins / HEARSE
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2010-06-12 03:28:00)
2006年発表の4th。

私はARCH ENEMYからメタルに入り、HEARSEの1stも聴いていたんですが、そのままブラックに流れてしまったので、実は彼らの音源を聴くのは1st以来だったりします。

1stの音楽性から大きな変化はなく、ロックンロール的な野蛮さ・獰猛さのあるリズムに泣きのギターメロが絡む、甘くなりすぎないメロデス。「ロック」という言葉には本来「揺する」という意味がありますが、このバンドのミディアムパートは聴いてると体を自然と揺らしてしまうようなグルーヴがありますよね。
ファストパートの、ハードコア由来の炸裂感から来るかっこよさも言わずもがな。

1stから敢えて変わった事を挙げるならば、ギターのコズミックな、キラキラしたメロディが少なくなった代わりに、時折ブルデスにありそうな禍々しいうねりを持ったリフが出て来る事でしょうか。
音質自体はよりヘヴィに、より洗練されているにも関わらず、独特のリズムとも相まって、以前よりも泥臭くなっている印象がありますね。
この辺り、モダン方向、洗練方向に向かうARCH ENEMYとは好対照だと思う。

そしてJohanのヴォーカルですが…Johan、声、太っ!!
声、ぶっっっっっと!!(笑)
丸呑みした大蛇を、一気に吐き戻すかのようなドスの利きまくった咆哮で、ARCH ENEMYに籍を置いてた時代から考えても迫力が段違い。この人、腹式呼吸ってレベルではなく、臓腑総てを動員して、発声しているのではないでしょうか…。声だけ聴くと、絶対イカツイ奴が歌ってると思いますよね(笑)。
あんな知的で細面な人のどこからこんな声が…。

もうこれブルデスのヴォーカルと比べてもレベル高いと思うんですが…。
彼のパフォーマンスを思い返してみれば、ARCH ENEMYが慟哭の感情を表す事、NONEXISTがプログレッシブな展開に合わせる事、HEARSE1stがハードコア的野蛮さを表現する事に、それぞれチャンネルを合わせていたと思うんですが、今作は「思うがままにぶっ殺せ」モードに入っちゃってます(笑)
久し振りにHEARSEの音源を買ったんですが、やっぱりJohan様の声最高だわ…。

失礼な言い方かもしれないけど、彼はARCH ENEMYを辞め(させられ)て、結果的には良かったと思う。今のARCH ENEMYの音に彼の声は余り合うとは思わない。HEARSEの、泥臭くて野蛮さや獰猛さの残るスタイルでこそ、彼の声は輝いてると思います。

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