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To Glory We Steer / PRECIOUS
火薬バカ一代 ★★ (2008-01-25 23:40:00)
梶山章(G)、二代目Voの深川英二、岡野健太郎(Ds)、後にSABER TIGERに加入する木本高伸(B)、高浜裕輔(Key)
という布陣で制作、'90年に発表されたPRECIOUSの1stフル・アルバムにして、ラスト・アルバム。
従来の様式美HM路線を追求しつつも、楽曲のバラエティは確実に幅を広げていて、お約束の王道スピード・ナンバーは
①のみに留まり、それ以降はフックに富む哀メロを活かした、ミドル~ミドル・ハイ・テンポの楽曲が数多く並ぶ。
また、単なる装飾を超えて、これまで以上にKeyを大々的にフィーチュア、「ポップさ」「キャッチーさ」といった
要素を意識した曲作りが為されているのも、本作の大きな特徴と言える・・・かも。
尤も、軟弱の印象は微塵もなく、様式美HMチューン①に始まり、ポップ・フィーリングを上手く取り込んだ③、
猛烈な憂いを発散する⑥等、収録曲は何れも粒揃い。また、その中を縦横無尽に動き回り、無闇に音を詰め込むのではなく、
緩急を駆使したドラマティックなソロを連発する梶山のGプレイも、相変わらず絶品極まりない。
単なる「様式系速弾きギタリスト」として狭い枠内で括られる事を嫌い、本来はもっとハードロック寄りの
サウンド・スタイルを嗜好する梶山のセンスが、より前面に押し出された内容の作品だが、
ともあれ、様式美HMファンなら「買い」の1枚なのは間違いない。

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