この曲を聴け! 

I DON'T WANNA DIE... / HATRED ANGEL
Usher-to-the-ETHER ★★ (2008-07-13 21:20:00)
2007年発表の2ndデモ。

HR/HM、殊にブラックメタルというジャンルにおいては「イメージ」って結構重要で、真に危険な思想や経歴を持っているバンドが高い評価を得たり、逆に思想や発言がただのポーズである事が露見したバンドが低く評価されたりという事も珍しくないですが、このバンドが打ち出したイメージはなんと、「保育士がデスメタルバンドを結成!?」というコミカルなもの。宣伝ビラに「デスメタルで愛を歌う」とキャッチコピーを打っておきながら、バンド名が「憎しみの天使」なツッコミ所の多さも面白いです(笑)。
…こういうイメージをこのジャンルで打ち出すのはかなり度胸が要ったと思うんですけど…私もそこに惹かれてCD買ってしまいましたし。

肝心の音楽性のほうは、キー入りのメロデス要素もあるメロブラという感じでしょうか。缶を叩くような音色が小気味良いファストなリズムに、ブラックらしいトレモロリフやツインギターを絡ませるリフなどを入れたスタイルですが、そのメロディはフィンランド辺りのメロウなプリブラをやってるバンドにも勝るとも劣らないくらい、哀感に満ちていて扇情的。時折音像に花を添えるキーも、曲の儚さを更に際立ててますね。

売り出してるイメージこそコミカルですが、音源にはポーザー呼ばわりをさせないだけのシリアスさ、クオリティの高さがあると思います。ただ、ヴォーカルの低音デスヴォイスはex-ARCH ENEMYのJohan的な慟哭ヴォイスを目指してるのかもしれないけど、迫力も感情表現も現時点ではちょっと物足りないですね…たまに英語のアクセントが変なときがあるし。5曲目なんかは勢いがあって好きですが。
それと曲短すぎです。一曲の平均演奏時間が約2分半…こんだけ扇情度が高いリフ入れときながら、この短さだとちょっと生殺しかも。

しかし、2ndデモでこの完成度は凄いんじゃないでしょうか。音質を一般受けするようにしてヴォーカルの弱さを克服したら普通に「来る」と思います。

→同意