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The Formation of Damnation / TESTAMENT
火薬バカ一代 ★★★ (2008-05-25 17:58:00)
チャック・ビリー(Vo)、エリック・ピーターソン(G)、グレッグ・クリスチャン(B)、そして、久々にバンドへと復帰を果たしたアレックス・スコルニック(G)に、元SLAYER~EXODUSの豪腕ドラマー、ポール・ボスタフという布陣で制作、前作『THE GATHERING』('99年)以来、実に9年振りに発表された9thアルバム。
初期の名曲群をリメイクした『THE FIRST STRIKES OF DEADLY』のリリースや、昨今のスラッシュ・メタル・ブームのリバイバルを鑑みるに、新作は恐らく、1st~4thの作風を踏まえた内容になるだろうと(勝手に)予想していたのだが・・・実際に聴いてみると、初期作のようなスラッシーな疾走感はそれほどでもなく、重厚なGリフに、立ち塞がる物すべてを轢き潰すかの如きリズムが地響き立てて前進するという、ここ数作のブルータル・メタル路線もしっかりと踏まえた、ヘヴィネス重視のサウンドに仕上がっている。
但し、アレックスの戦線復帰と、彼の流麗且つ劇的なGワークの効果で、インスト・パートのドラマ性は飛躍的に回復しているし、また、タイトに畳み掛ける硬質なポール・ボスタフのDsを活かした、爆発的な疾走パートを要所に配した構成は非常にダイナミック。ヘヴィネス重視の作風と言っても、単調な印象は殆ど感じられない。
特に、激烈な疾走感と、チャックのアグレッシブだが「歌える」Vo、起承転結の決まった曲展開、そしてアレックスによる緩急自在のGソロが一丸となって突貫する④は、「様式美スラッシュ」とまで言われた、1stや2ndアルバムの頃の面影が蘇る、本編のハイライト・チューン的存在。
楽曲的には、前半の充実度に比べると後半がやや弱く、最後にあと1曲、問答無用で飛ばしまくる高速スラッシュ・ナンバーがあれば、全体的にもう少し引き締まったように思うのだが・・・まぁともあれ、TESTAMENTファンなら間違いなく満足するであろう力作には間違いない。

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