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Assassins : Black Meddle Part Ⅰ / NACHTMYSTIUM
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2008-06-19 18:58:00)
2008年発表の4th。遂にNACHTMYSTIUMまで日本盤が出るとは…
とりあえずこのサイトでの最初のレビュアーの座は頂いておきます(笑)。
前作でもサイケデリックな音色のギターや曲間に音響的なパートを設けたりしていましたが、今作ではアルバムのサブタイトルがPINK FLOYDの「Meddle」をもじっていたり、ライナーでBlake(Azentrius)がNACHTMYSTIUMの音楽性を(冗談めかして)「サイケデリックブラック」と呼んでいるエピソードが紹介されている事からも分かる通り、前作のそうした要素を更に強めた作風になってますね。
メンバーにムーグ/サウンドエフェクト担当がいたり、ゲストにサックス奏者を起用するなど、前作以上に思い切った方向に舵を切ってます。
また、サイケデリック・ロックの要素が強まっただけでなく、大幅にメジャー化もしてますね。まず音質がブラックらしいギターの歪みの強さは残しつつも分離の良い整理されたものになってるし、ドラムはNILEやANGELCORPSEにも参加したTonyを起用したせいか、今までには無かったテクニカル/ブルータルな部分も見られますね。
やはり音作りは上手く、ドラムが相当ブルータルな箇所でもサイケデリックな陶酔感を邪魔しない心地良さがあるのは凄い。
ヴォーカルも以前の人を寄せ付けないような禍々しさや、得体の知れない恐怖感は薄くなってる感じですね。相変わらずガビガビに割れた声ではあるんですが、鬨を上げるようなコーラスパートを歌ったり、剰え濁声でメロディを歌うパートまであります。
とはいえ、ちゃんとエクストリームメタルのヴォーカルとしてはかっこいいので問題無し。私はPINK FLOYDって「Meddle」を聴く限りでは、サイケな感覚は好みなんですけどどうもあのナヨナヨしたVoが癇に障って苦手なんですよね…影響がヴォーカル面にまで及ばなくて良かったかも(笑)
個人的には、「One of these Nights」や「Seasick」辺りはサイケデリックロック要素の取り入れ方があからさま過ぎる(だから駄目という訳ではないけど)ように思うんですが、禍々しいサイケデリアをブラックメタルらしくリフによって演出する「Omnivore」辺りは彼らの個性が現れた、掛け値無しの名曲だと思います。
ただ、音質面で見ると前作の方がミステリアスな雰囲気があって、サイケなギターの音が良く映える音だったと思うんですよね…一方、ムーグやサックスを入れたり、効果音の多用といった手法は今作の音質だからこそ効果的に機能しているという印象。なので前作と今作ではそれぞれ一長一短な感じですね…もっと聞き込むと印象も変わるかもしれませんが。
しかし、NACHTMYSTIUMの作風はここが終着駅ではないような気がします。これからももっと進化していきそう…そんなポテンシャルを感じられる作品。
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