この曲を聴け! 

LET US NOT TALK FALSELY / LAWSHED
火薬バカ一代 ★★ (2008-09-02 23:29:00)
東京出身の4人組で、活動初期には、後にCOCOBATやPULLING TEETHで活躍する鈴木慎一(G)が在籍していた事でも
知られるスラッシュ・メタル・バンドが、'91年にHOWLING BULL RECORDSからリリースした1stアルバム。
クランチの効いた鋭利なGリフ、前のめりに畳み掛けてくるリズム、シャウト主体だがちゃんと歌うことも出来るVo、
結構メロディアスなフレーズを聴かせてくれるGソロ・・・と、スティーブ“ゼトロ"サウザ時代のEXODUSを筆頭に、
ベイエリア・スラッシュ・メタルからの影響が濃厚に漂うサウンドがその持ち味ながら、メンバー全員が
KING CRIMSONなどのプログレ・バンドも愛聴していると言うだけあって、スラッシーな疾走感を基調としつつも、
頻繁なリフ/リズム・チェンジや、慌しい曲展開が取り入れられた楽曲には、一筋縄ではいかない捻りが効いている。
音作りにしろ演奏にしろ曲展開にしろ、まだまだ未整理な部分が目立ち、Gリフのカッコ良さや痛快な疾走感といった
パーツ毎のクオリティの高さに反して、1曲1曲の印象がさほど強く残らない点が何とも勿体無いが、とは言え、
ホラー映画調のイントロから一転して爆走を開始する②、一際、プログレッシブ・ロックからの影響が薫る③、
スリリング且つ切迫感に溢れた本編屈指の名曲⑤、Bが生み出す小気味良いグルーヴに体が反応する⑥、ダイナミックに
アルバムのハイライトを飾る⑨なんかは、LAWSHEDならではの個性が、しっかりと刻印された聴き応えのある名/佳曲かと。
次作では、更にプログレ方面からの影響を打ち出したサウンドを披露し、結果的にファンからそっぽを向かれてしまった彼らだが
(でも、今聴くと当時ほどはガッカリしない)、本作は自信を持ってスラッシャーにお薦めできる仕上がり。「買い」の1枚です。

→同意