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Satan's Gift / DEATHROW
火薬バカ一代 ★★ (2008-12-09 21:11:00)
スヴェン・フリューゲ(G)とマーカス・ハーン(Ds)がデュッセルドルフにおいて結成したSAMHAINが前身となり、
NOISE RECORDSとの契約を期に名をDEATHROWと改めた(アメリカにグレン・ダンジグ率いる同名バンドが存在したため)
ドイツ出身の4人組スラッシュ・メタル・バンドが、'86年に発表した1stアルバム。
ジャーマン・スラッシュ第2世代に属し、シーン屈指の暴走軍団として勇名を馳せた彼らだけあって、
鬼のようにシュレッドされる猛々しいリフ、炸裂感溢れるGソロ、そして何と言っても、まるで倒れる寸前まで前傾姿勢を取ったかの如き、
前のめり過ぎるリズムの走りっぷりが本作の「肝」。アンサンブルのまとまりのなさを力押しでブッ千切る獰猛なサウンドは、
音質も含めてチープではあるものの、バカバカしいまでの迫力に満ち溢れていて単純にカッコいい。
スピーディと言っても、パンクやハードコア的な匂いは殆ど感じられず、しっかりと構築された④のようなインスト曲を
演奏するなど、楽曲の根っこにヘヴィ・メタリックなドラマ性が強く宿っている辺りも個人的に好みで、
これは、Voが濁声ながら「歌う」場面が結構ある事、そして、要所でドラマティックなメロディを豊かに紡ぎ出す
ツインGの存在に依るところが大かと。(同郷のスラッシャー、SDI辺りに共通する雰囲気有り)
特に、劇的なイントロに導かれて激烈に疾走を開始する、スピード/パワー/ドラマ性の3拍子が揃ったアルバム表題曲の②や
ラスト・ナンバー⑨は、DEATHROW屈指、いやさ、ジャーマン・スラッシュ・メタル史に残る名曲じゃないかと。
スピード命!なスラッシャーなら聴かずには死ねない、B級スラッシュ・メタルの名盤。

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