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Strike Back / STEELER(GERMAN)
火薬バカ一代 ★★ (2008-12-02 21:14:00)
STEELERといっても、イングヴェイ・マルムスティーンやロン・キールが在籍していたLAのバンドではなく、こちらはドイツはボッヘム出身の5人組HMバンド。
マニアからは、現在はソロ・アーティストとして活躍するギタリスト、アクセル・ルディ・ペルが嘗て在籍していたバンドとしても知られ、本作は、その彼らが'87年に発表した3rdアルバムに当たる。
中音域をメインにダミ声で歌うVo、ソリッドなGリフ、重厚なリズムをフィーチュアしたACCEPT影響下にある剛直なサウンドは、まさに絵に描いたような「ジャーマン・へヴィ・メタル」然とした作風。
近年は、背伸びし過ぎなGプレイが批判対象になったりするアクセルも、ここでは(ツインG編成ということもあってか)アンサンブル重視のGプレイに終始していて好感触。その彼のソロ作に比べると、正直、全体的にモッサイというか垢抜けない印象は拭えないものの、独インディーズ大手のSPV/STEAMHAMMERと契約を交わし、サウンド・プロダクションの飛躍的な向上(エンジニアにはトミー・ニュートンの名前が)、初めてドイツ国内のナショナル・チャート入りを果たす等、STEELERの出世作として名高い本作だけに、そのクオリティは確か。
ただへヴィでアグレッシブなだけでなく、フックに富むメロディの組み立てに長けているのも彼らの強みであり、叙情的なイントロから疾走へと転じる③、メロディ・センスの良さが発揮されたミドル・テンポの④、スピーディなアルバム表題曲⑥、硬派なバラード⑨といった楽曲は非常に良く出来てます。そして何と言っても本編のハイライトを飾る⑦。アコギを効果的に用いて、ドラマティックに疾走するそのカッコ良さはガッツポーズ物で、ハッキリ言って本作はこの名曲を聴くためだけに購入しても損はないと言い切りたいぐらい。
アクセル・ルディ・ペルのファン以外にも、B級HMマニアには強くお薦めしたい1枚。(もう国内盤は生きてないのかな?)

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