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Battle Furies / EWIGKEIT
Usher-to-the-ETHER ★★ (2008-12-25 07:05:00)
97年発表の1st。邦題は「暗黒の戦士」。
ブラックを基調としながらインダストリアル、メタルコア、民族音楽など様々な音楽性を噛み砕いて取り入れた「Radio Ixtlan」とは異なり、この時点ではまだ打ち込みドラムの薄っぺらなバンドサウンドをアトモスフェリックなキーボードが包み込む、典型的なシンフォニック・ブラックといえる音楽性で、剰えBURZUMのカヴァーまで演ってます(日本盤ボーナス)。
ティンパニやオーケストラヒットの音色、女性ヴォーカルも盛り込んだドラマ性のある展開、フレーズが不鮮明なノイジーさで情景描写に貢献したり、正統派っぽいリフを弾いて勇壮さを演出したりを上手く使い分けるギターなど、曲のレベルはなかなかに高いのではないでしょうか。
「Radio Ixtlan」とは殆ど別のバンドみたいですが、曲の世界観がどこかSFじみているのは共通していると思います。この創作っぽさは、EMPERORにもLIMBONIC ARTにも無い個性ですね。ただ、個人的にはもう少しカリスマを感じさせるような要素が欲しかったです。音がチープなのは仕方ないですが、曲によって微妙に録音レベルが異なったりしてるのも萎えるし、今一つ夢中になりきれないアルバム。
ちなみに日本盤解説は「独りブラック」に付いての考察も書かれていて、読んでて結構楽しめました。でもこのライターの人、FogartyをBATHORYやBURZUMに続く「独りブラックの第3のカリスマになれる逸材」みたいに書いてますが…この後の音楽性の変化を目の当たりにして、一体どう思ったんでしょうね(笑)。
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